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80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】

80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 神村 聖(KAMIMURA Satoshi)

  • MG ミジェット Mk-II:1961年にデビューしたミジェットは1979年まで生産された
  • MG ミジェット Mk-II:この個体はMk-IIとしての生産最終期にあたる1966年式
  • MG ミジェット Mk-II:経緯は不明ながら、現時点ではMk-III用の1275cc+SUツインキャブ仕様のAタイプが搭載されている
  • MG ミジェット Mk-II:BMC Aタイプ4気筒OHVエンジンは、最強版の1275ccであっても額面上では65psにすぎない
  • MG ミジェット Mk-II:145-13というか細いタイヤサイズ。現車はヨコハマのGTスペシャル・クラシックの145/80R13を装着
  • MG ミジェット Mk-II:1961年にオースティン・ヒーレー スプライトMk-IIをもとに、ラジエターグリルとエンブレム類を換えてミジェットがデビュー
  • MG ミジェット Mk-II:MGはBMCを代表するスポーツカー専業ブランド
  • MG ミジェット Mk-II:トノカバーで簡便に車内を雨から守ることができる
  • MG ミジェット Mk-II:トノカバーは運転席側だけ開放することも可能
  • MG ミジェット Mk-II:当時のスプリジェットでは大多数を占めていた北米仕様車かと思われる左ハンドルの個体
  • MG ミジェット Mk-II:前席の後ろに荷物を積むこともできるので2人で旅行やクラシックカーラリーを楽しむには十分な実用性
  • MG ミジェット Mk-II:スミス製スピードメーターはマイル表記で100マイル(約160km/h)まで記されている
  • MG ミジェット Mk-II:センターの燃料計と水温計もスミス製
  • MG ミジェット Mk-II:望ましいシフトフィールのお手本のごとく「カチッ、カチッ」と決まる4速マニュアルのトランスミッション
  • MG ミジェット Mk-II:1964年にはサイドウインドウがそれまでのスクリーン差し込みタイプから、レギュレーターを手でクルクルと回す巻上げ式に変更された
  • MG ミジェット Mk-II:リアのトランクにはスペアタイヤ&ホイール
  • MG ミジェット Mk-II:1961年にオースティン・ヒーレー スプライトMk-IIをもとに、ラジエターグリルとエンブレム類を換えてミジェットがデビュー
  • MG ミジェット Mk-II:ステアリングギヤ比はクイック過ぎないものながら、車重の軽さのおかげで身のこなしは軽やか
  • MG ミジェット Mk-II:ホイールベースは2032mmで全長は3456mm、全幅は1346mm。車両重量は676kgに過ぎない
  • MG ミジェット Mk-II:ドライバーの思うままのナチュラルなコーナーリングマナーを示してくれる

1966年式 MG ミジェット Mk-II

「クラシックカーって実際に運転してみると、どうなの……?」という疑問にお答えするべくスタートした、クラシック/ヤングタイマーのクルマを対象とするテストドライブ企画「旧車ソムリエ」。今回は、かつては日本における旧車エンスー趣味の創成期にも絶大な人気を得ていたスポーツカーの金字塔的名作、MG「ミジェット」を俎上に載せ、その走りを味わってみました。

旧車エンスー創成期の日本でも大人気を得たミジェットとは?

1950~1960年代に最盛期を迎えた「ブリティッシュ・ライトウェイトスポーツカー」は、その名のとおり、英国製の小型で安価な量産スポーツカーを指した言葉。おそらくは和製英語と思われるが、この時代の北米市場を中心にあらゆる地域・階層の顧客から熱烈に支持され、確実にひとつの時代を築いたジャンルである。

そして、そのジャンルの代表格に挙げられるべき傑作モデルが、当時の英国における最大の自動車メーカーグループ「BMC(ブリティッシュ・モーター・カンパニー)」の最盛期を支えたモデルのひとつたるMG「ミジェット」だった。ただミジェットについてご説明するには、まずは「スプリジェット」なる愛称の「スプリ」にあたる片割れ。姉妹車であるオースティン・ヒーレー(A.H.)「スプライト」についてもお話しせねばなるまい。

1957年にデビューしたオースティン・ヒーレー スプライトは、じつはBMCとしても初体験となったモノコックボディに、当時のBMC最廉価モデルたるオースティン「A35」/モーリス「マイナー」からパワートレインやサスペンションなど基本コンポーネンツのほとんどを流用したロードスターだった。

水冷直列4気筒OHV 948ccの「BMC Aタイプ」ユニットのパワーは43psというささやかなものながら、それでも600kgそこそこの軽量ボディがもたらすクイックな操縦性と、ライトウェイトスポーツカーに長い経験をもつ英国車ならではの本格的なつくりは極めて魅力的なもので、生来の目的どおり北米市場を中心に、高い評価と商業的な成功を獲得した。

1961年には、日本におけるニックネーム「カニ目」の由縁ともなった可愛い丸形スタイルのフロントカウルと、同じく曲面のみで構成されたリアセクションから、より直線的なデザインで完全リニューアルした「スプライトMk-II」へと進化するとともに、BMCを代表するスポーツカー専業ブランドの「MG」から、ラジエターグリルとエンブレム類を換えた「ミジェット」が、新たにちょっとだけ高価な姉妹車としてデビューすることになった。

また翌1962年には、パワーユニットがミジェット/スプライトMk-IIともに1098ccまで拡大されたのち、1964年にはサイドウインドウがそれまでのスクリーン差し込みタイプから、レギュレーターを手でクルクルと回す巻上げ式に変更されるとともに、ウインドスクリーンもより頑丈でソフトトップをしっかり保持できるものへと変更するなど、大幅な耐候性アップを図ったミジェットMk-II/スプライトMk-IIIへと進化。

1966年にはAタイプエンジンを、「ミニ クーパーS」と同じ1275ccまで拡大するとともに、細部をブラッシュアップしたミジェットMk-III/スプライトMk-IVにマイナーチェンジを果たした。

さらに1974年には、アメリカの規制に適合させるべくウレタン樹脂製の黒い大型バンパーを前後に装着するとともに、エンジンもかつてのライバル、トライアンフ「スピットファイア」と共通の1493ccにコンバートした最終型「ミジェット1500」に最終進化(A.H.スプライトは廃止)。1979年まで生産された。

そして、これら一連のミジェットは、旧車エンスー趣味創成期にあった1980~1990年代のわが国においても、絶大な人気を博したのだ。

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