オーダーから2年半が経過して納車されたドリキンのシビックタイプR
現在受注がストップするほど人気の高いホンダFL5型「シビックタイプR」。自動車業界内でも多くの人が手に入れていますが、ドリキンこと土屋圭市氏もそのひとり。オーダーから2年半待って、ようやく納車されました。完成度が高いシビックタイプRですが、ドリキンがこれからチューニングして仕上げていく様子をお届け。オーナーにとってはパーツ選びの参考になるでしょう。第1回目は、無限とヤマハがコラボレーションして開発した「パフォーマンスダンパー」を装着したシビックタイプRとノーマルとの比較試乗です。
エンジンと足まわりは動力性能が進化
日本のモータースポーツの最高峰のひとつがSUPER GTだ。トップカテゴリーのGT500クラスは、各国産車メーカーが誇るスポーツカーの外観をまとったマシンが参戦しており、ホンダは「シビックタイプR」となっている。
ドリキンこと土屋圭市氏が購入したホンダの現行FL5型「シビックタイプR」が2年半経ってようやく納車された。これからさまざまなチューニングを施していくそうなので、FL5型シビックタイプRのオーナーにとっては参考になるだろう。
現行FL5型シビックタイプRは2022年9月に登場。最高出力330ps、最大トルク420Nmまで向上させた2L直4 VTECターボエンジンを搭載。旋回性能を高めて車両パフォーマンスをより向上させるため、ミシュランが開発したタイプR専用チューニングタイヤを装着している。
シビックのシャシーをベースに、タイプRとして細部まで熟成を図るとともに、足まわりの支持剛性を高めている。さらに4輪独立電子制御ダンパーのアダプティブ・ダンパー・システムを採用し、車体のモーションとタイヤ4輪の接地性を連携してコントロールするロール・ピッチ制御に、バネ下加速度を加えた制御を行い、荒れた路面でも優れた運転操作によるクルマとの一体感とダイレクト感のあるハンドリング性能を実現している。
さらに、12の機能をパッケージ化した先進の安全運転支援システム、ホンダセンシングを標準装備。走行性能だけでなく安全性能の高さにも定評があり、現役レーサーやジャーナリストなどが所有している。これほどのハイスペックながら車両本体価格499万7300円(消費税込)というリーズナブルな価格設定ゆえに、現在は受注がストップするほど人気となっているのだ。
ドリキンもそんなFL5型シビックタイプRの完成度の高さに惹かれて購入を決意。ドリキンはこれまでに後輪駆動の「NSXタイプR」は所有した経験があるものの、FF車のタイプRを所有するのは初めてとのこと。ちなみに、ナンバーの「365」は所有していた初代NSXタイプSでも使っていた数字で、365日休まず働く! という意味を込めている。
パフォーマンスダンパーの装着で街乗りの乗り心地を向上させる
いくら完成度が高いFL5型シビックタイプRとはいえ、ドリキンにとっては満足できない部分が多い。そこで、自分のシビックタイプRでこれからさまざまなチューニングを施し、オーナーに参考にしてもらいたいという思いで始めたのがこの企画だ。
第1回目は、無限がヤマハとコラボレーションして開発した「パフォーマンスダンパー」。フルノーマル車両と、パフォーマンスダンパーのみを装着した車両の乗り比べを行った。その結果次第でドリキンも装着するかどうかを決めるという。
パフォーマンスダンパーは前後に装着し、フロントはバルクヘッドの下コアサポートの下側に装着。エンジンルームをのぞくと遮熱材が巻いてあるパフォーマンスダンパーが見えた。一方リアは、バンパービームの付け根に橋渡しをするような形で装着しているのでのぞき込んでも見えない。
無限でFL5型シビックタイプRの商品開発を担当している中出駿貴さんは、パフォーマンスダンパーは一般公道を走行しているときに、ユーザーに提案できることとして商品開発したと話す。ドリキンの「+Rモードはサーキットでも路面を跳ねてしまうけれど、無限はどう考えているのか?」という質問に対して、突き上げ感の絶対量は変えられないが、初期の入力の段階で角を丸くした感じになっていると答えていた。
またヤマハの渡邉大喜さんは、乗り心地でたとえると荒れた路面では乗員の身体が左右に振られる。その揺れを抑えることで目線が安定し、正しい操作で運転しやすくなると説明してくれた。この話を聞いても疑心暗鬼なドリキン。早速、袖ヶ浦フォレストレースウェイでテストを行った。