サービス記録もしっかり残されていた1台
2024年6月27日、アイコニック・オークショネアーズがオンラインで開催した「TIMED AUCTION 2024」においてBMW「M5」が出品されました。1994年式のM5は、世代としては後期型に相当するモデル。わずか2人のオーナーによって所有されていた個体でした。
世界最速の4ドアセダンと称された
BMWのファンにとって、「M」の称号はやはり特別な存在だ。ミッドシップ・スーパースポーツの「M1」に始まるMの血統は、その後さまざまなモデルへと継承され、それはつねにBMWのファンのみならずスポーティなモデルを求めるカスタマーにとって強い刺激となり得ている。
ここで紹介するのは、BMW「5シリーズ」としてはサード・ジェネレーションとなるE34型に設定された「M5」。BMWが5シリーズで初めてM5をラインナップしたのは、その前作にあたるE28型5シリーズで、そのデビューは1985年のこと。M1用の3453cc直列6気筒DOHCエンジンを286psの最高出力で搭載したそれは、250km/hの最高速を誇り、世界最速の4ドアセダンとさえ評された。
そのような事情もあり、1988年に誕生したE34型5シリーズに、同様にM5をラインナップするのはデビュー以前から当然ともいえる計画だった。じっさいにE34型M5が誕生するのは1988年になってからの話だ。
まず搭載されたエンジンは3535ccの直列6気筒DOHCで最高出力は315ps。組み合わされるトランスミッションは5速MTで、エクステリアはM製のエアロパーツで武装し、フロントにマクファーソンストラット、リアにトレーリングアーム式を採用したサスペンションも、Mによる専用セッティングが施された仕様となっていた。前後のタイヤは17インチ径。こちらも高速域でのエアロダイナミクスを考慮したデザインであることが当時大きな話題だった。
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