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完全自作「原付カー」で日本一周2万キロ! 北海道から沖縄まで一般道をホンダ「NSR50」の2スト50ccエンジンで完走【マイクロカー図鑑】

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 近藤浩之(KONDO Hiroyuki)

保安用件を満たしてナンバーも取得

「最初のモデルが結構うまくできたので2台目の制作に取りかかかって、コロナ禍が終わる頃、3年ほど前に完成したのがこの“自作ミニカー2号機”です」

ヘッドライトやウインカーをはじめとする安全保安要件をきちんと満たしていれば、普通乗用車とは異なり原付四輪車は自作のワンオフであっても登録・ナンバー取得は可能。もちろん“セルフメイド”さんはこの自作マシンにナンバーを取得した。

エンジンは1990年代のホンダ「NSR50」の水冷2ストローク50cc。ラジエターやホイールなどにバイクやカート用のパーツを巧みに流用しつつ、チューブラーフレームはオリジナル・デザイン。

「厳密な設計図などはなくて、トライアンドエラーで仕上げました」

というが、製作途中には念入りな試走も行うなど、その走りも仕上がりもかなりのハイクオリティだ。

自作ミニカーで北海道から沖縄まで日本1周

これだけでも「クルマ遊び」としてはなかなかディープで希有な例だと思うのだが、さらに驚くべきは“セルフメイド”さんのずば抜けた行動力。

「SNSやYouTubeなどにもアップしていますけど、2022年から2023年にかけてこのクルマで日本1周しました。北海道から沖縄まで約2万キロ、下道を走って……」

アスリートは自分自身の限界と戦うために競技に参加し、登山家はそこに山があるから登り、コーリン・チャップマンは自身のアイデアの優秀性を証明したくてモータースポーツに参戦し……という話と一緒にしていいものかどうかよくわからないけれど、ともかく自分が作った原付カーで日本1周を成し遂げるとは浮谷東次郎もびっくり。原付四輪車フリークの情熱恐るべし! クルマ趣味もここに極まれり! である。

■「マイクロカー図鑑」過去の紹介モデルはこちら

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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