20代ライターのロータス カップ ジャパン参戦記、1年の締めくくりはいかに
ナンバー付きの「エリーゼ」や「エキシージ」で争われる「ロータス カップ ジャパン」。モータースポーツ歴2年目のZ世代モータージャーナリストの筆者は2024年から初挑戦していますが、4月に行われた富士ラウンド、9月に行われたSUGOラウンドではベテランの皆さんに完敗。10月20日に開催された最終戦となる、モビリティリゾートもてぎでのRd.4&Rd.5では、はたして進化があったのでしょうか?
最終戦はもてぎでRd.4&Rd.5のダブルヘッダー
「ロータス カップ ジャパン」は公道走行可能なナンバー付きの「エリーゼ」や「エキシージ」などのロータス車だけで争われるレースだ。クラスは2つに分けられていて、3.5L V6スーパーチャージャーエンジンを搭載するエキシージで争われる「クラス1」、1.8L直列4気筒エンジンを搭載する歴代エリーゼ/エキシージで争われる「クラス2」となっている。
筆者はクラス2に参戦。乗るのは1.8Lエンジンにスーパーチャージャーを組み合わせて220psを発生する「エリーゼ スポーツ220」だ。タイヤはヨコハマタイヤのアドバンA052のワンメイクとなっている。
Rd.4とRd.5の舞台となるもてぎを4輪で走るのは初めて……なので事前にコース習熟のための練習走行をしたかったのだが、前回のSUGOラウンドから走行会などが全くと言っていいほど開催されておらず、実際に走行する機会はレースウィークまでなかった。
事前予習として今回も前回のSUGOと同じく、平塚にあるシミュレーターショップ「Coco Drive」で予習を敢行。そしてもてぎの車載動画や攻略動画を検索して視聴した。よく、クルマの話になると「昔はよかった」という声が聞こえてくるが、このような予習ができることを考えると「今だって悪くないよ」と筆者は思う。
先輩やライバル選手から教えてもらって研究
こうして迎えたもてぎのレースウィーク。与えられた練習走行の時間はなんと、30分1本! SUGOの時は3本くらい走れたのに……と嘆いても仕方ない。練習走行序盤は今回同じくクラス2にエントリーする自動車ジャーナリストの先輩で、レース経験豊富な橋本洋平さんの後ろで走行ラインを勉強させていただいた。
こうして記録したタイムは2分18秒014、橋本さんは2分14秒730なので、3秒強、4秒近く離されていることになる。SUGOの時は前のクルマから1.5秒離された予選となったが、もてぎは1周が長いためタイム差も大きくなってしまうのだ。コースへの習熟度が浅いため仕方ないという声もあるかもしれないが、「コレではいかん!」と思い、橋本さんの車載動画を見てアドバイスをもらいながら研究をした。
また、前回のSUGOでクラスレコードを出した飯田選手も、車載動画とデータロガーを見せてくださった。普通のレースでは同じチームでもなければ、ライバル選手からこのようなものを見せてもらうなんてありえないが、「みんなで速くなろう!」と教えあっているのがこのロータス カップ ジャパンの良いところなのだ。他のレースカテゴリーとはちょっと違った、あたたかい雰囲気のパドックとなっているのが、筆者がロータス カップ ジャパンを好きなポイントのひとつだ。
予選では練習より3秒以上のタイム短縮!
練習走行の翌日は予選1回、決勝2回とタイトなスケジュール。予選は朝8時からと早かった。教え合うあたたかな雰囲気でも、勝負自体は真剣だ。このメリハリが大人の勝負という感触がする。
ニュータイヤを装着し、昨日より気温が低くなった予選は一気にタイムが縮まり、2分14秒882となった。しかし、条件が良くなったのは他の選手も同じ。クラストップは橋本洋平さんで2分11秒807、クラス2位の長澤選手が2分12秒633、そして筆者となっていた。練習走行では4秒近くあった長澤選手との差が2秒2になっていたので、少しは成長があったかな?と思った。
そういえば前回クラストップの飯田選手のタイムがないけれども……と思うと、飯田選手が声をかけてきた。
「シフトミスしちゃって、エンジンやっつけちゃったんだよね……決勝間に合わないかも……」
と肩を落としていた。4位には開幕戦でピットスタートから追い上げてきた「211」が付けたが、ドライバーは開幕戦と違い今回初めて参戦する方であった。ここから決勝に向けて一気に速くなる可能性もある。