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昭和天皇の御料車に座った!「タイプ770」通称「グロッサー・メルセデス」には後席から運転手に走行指示をするリモコンがあった!?【クルマ昔噺】

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TEXT: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  PHOTO: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)

乗り込んで撮影することができた!

さて、宮内庁がこのクルマをドイツ本国に戻すにあたり、菊のご紋はフェイクが用いられ、花弁の数が異なるという話を聞いたことがあるが、何度行っても花弁の数など数えたことがない。残念ながら写真でも確認する術はないからわからない。

そして、1998年になって、とある取材で再びこのダイムラー・ベンツ・ミュージアムを訪れ、いつも通り(もう何度訪れたかわからないので)天皇御料車に対面してきた。この時は博物館が休館日だったこともあり、ダイムラーのお目付け役が同行していたのだが、その時に限ってなぜか、「室内の写真を撮ることは可能か?」と聞いてみると、「OK」と言って、いとも簡単にリアドアを開けてくれて、めでたく玉座と対面した。

じつはその撮った写真がどうしても見つからず、極めて残念である。中を見るだけでもすごいことだったのに、なぜかその時はついでとばかり、「乗っても大丈夫か?」と聞くと、これもあっさりとOK。それがここに紹介する写真である。一緒に同行した編集者と御料車の後部座席に収まってしまった。

私の座る側にはリモコンのようなものが置いてあり、そこには「右に曲がれ」、「左に曲がれ」、「もっとゆっくり」、「もっと速く」などと書かれたボタンがあり、恐らくはドライバーズシートにその情報を飛ばす仕組みになっているのだと思う。天皇陛下御自身がそうした操作をやるとは思えないので、私が座った側は本当の玉座ではないらしいので少し気が楽である。

きっと今は開くことはないであろうリアドアである。今から30年近く前はまだベンツもおおらかだったのか、あるいは日本人の天皇陛下に対する思いが理解できなかったのか、いずれにせよもう2度とない体験であった。

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  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 幼いころからクルマに興味を持ち、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾る。 大学在学中からレースに携わり、ノバエンジニアリングの見習いメカニックとして働き、現在はレジェンドドライバーとなった桑島正美選手を担当。同時にスーパーカーブーム前夜の並行輸入業者でフェラーリ、ランボルギーニなどのスーパーカーに触れる。新車のディーノ246GTやフェラーリ365GTC4、あるいはマセラティ・ギブリなどの試乗体験は大きな財産。その後渡独。ジャーナリスト活動はドイツ在留時代の1977年に、フランクフルトモーターショーの取材をしたのが始まり。1978年帰国。当初よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動し、すでに45年の活動歴を持つ。著書に三栄書房、カースタイリング編集室刊「世界の自動車博物館」シリーズがある。 現在AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)及び自動車技術会のメンバーとして、雑誌、ネットメディアなどで執筆する傍ら、東京モーターショーガイドツアーなどで、一般向けの講習活動に従事する。このほか、テレビ東京の番組「開運なんでも鑑定団」で自動車関連出品の鑑定士としても活躍中である。また、ジャーナリスト活動の経験を活かし、安全運転マナーの向上を促進するため、株式会社ショーファーデプトを設立。主として事業者や特にマナーを重視する運転者に対する講習も行っている。
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