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クレイジーケンバンド・横山 剣さんが日産「510ブルーバード」で走る!「Zの柳田」「黒い稲妻」とのドリームチームの結果は…?

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TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: 奥村純一(OKUMURA Junichi)

桑島正美選手&柳田春人選手と夢の3人チームで耐久レース

今回より「CRAZY KEN TROPHY」となったJCCAヒストリックカー60分耐久レースだが、自らの名前を冠したレースへエントラントとしても参戦の横山 剣選手が、このように語ってくれた。

「僕自身は実力もまだまだだですし、レースに自分の名前を冠するなんて、おこがましさと照れくささもあったのですが、耐久レースをもっと盛り上げて行きたいねと、レース仲間との会話から持ち上がった話でした。まさか本当にこんなに早く実現するとは思いませんでした」

と謙遜するが、来場者数やレースへの参加台数の増加など、その効果は間違いなく現れているのが分かる。

そして今回の横山選手のチームであるが、これまでも耐久のパートナーとしてタッグを組んできたのが桑島正美選手。1970年代に国内外のレースで活躍し「黒い稲妻」の異名で活躍した名ドライバーだ。

「もともと僕がCOOLSというバンドに関わっていた頃、ギタリストのジェームズ藤木さんから紹介してもらってから、桑島さんとは30年来のお付き合いなんです」

と横山選手。そうした関係もあり、かつての桑島さんの「フェアレディZ」時代のライバルであり親友の柳田春人さんと繋がりもでき、柳田さんのショップ、セントラル20にも協力してもらうといった関係ができたという。

「イギリスのグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは、オーナーが、かつてのレジェンドドライバーと組んで走りますよね。ブラジル・コンビ(桑島&柳田両選手は1970年ブラジルでの国際レースに出場)が、いつか乗ってくれたら嬉しいなと思ってたのですが、今日実現して最高の気分です」

と横山選手は語ってくれた。

レジェンドドライバーたちは語る

そうして結成されたドリームチームであったが、持病を抱えており日により体調の浮き沈みがあるという桑島正美選手、今回はベストな体調ではなかった。

「筑波に来る3日前から急に(体調が)キツくなってきて、前日もろくに練習もできずにいたんですよ。レースは2人目に乗ったのですが、途中イエローフラッグが出たりセーフティカーが入ったりしちゃって、とにかく集中力を切らせないようにして、ラストの柳田に渡せるように走りました。剣ちゃんとのチームは楽しいし、チームスタッフも完璧。これからも走れる限りは走りたいね。それより、なんか火がついた人がいるみたいだよ。柳田の話聞いてみて」

と桑島選手は笑いながら話を柳田選手に振る。

「じつは以前にも友人に誘われて何度かBMW 2002でヒストリックカーの耐久レースに出たことがあるんですよ。まだ40代だったから、約30年ぶりの筑波サーキットです」

と懐古するのは「Zの柳田」こと柳田春人選手だ。

久しぶりのコース、初めてのマシンということで、レース2週間前に7周のテスト走行を行ったという。その時は最終コーナーでアクセルを開けていくと外側に膨らむ症状があったそうだ。

「その後アライメントを改善したみたいで、今日は走りやすかったね。回転数は7500rpmがリミットなんだけど、どこまでも回りそうなエンジンだね。私は現役時代に510は乗ったことないけど当時より良いと思うよ」

とマシンの仕立てには満足のご様子の柳田選手は、こう続けた。

「横山さんは速いね! 練習しているって聞いてたけど努力してるね、想像以上の速さで驚いた。そうなると私も負けてられないなって燃えてきたよ」

気になるリザルトは……?

柳田選手の走行中にはセーフティカーの先導もあり(セーフティカーはトップの車両の前へ入るという認識の柳田選手、自車の前に入ったことに戸惑ったそうだ)、桑島選手同様、満足できる走行ができなかったというが、まだまだタイムアップできる感触は掴んだという。

「久しぶりのチームでのレース参加だったけど、私が現役だった頃のレースってこんな感じだったよな……という懐かしさもこの大会にはあるね。チームクルーは最高だし、他の参加チームの雰囲気も良かった、とにかく今日は最高の1日でした。次回も誘ってもらいたいな」

と柳田選手。ドライバー3人で乗る順番や交代のタイミングを決めて、ピットクルーとその詳細を相談しながら戦略を組み立てるなど、チームワークの楽しさを再認識したという。

そうしたドリームチームでの耐久レース、予選タイムは19台中6位でスタートし、一時は2位まで浮上、一昨年ぶりの表彰台か! とチームのムードも高まったというが、結果は5位のフィニッシュ、表彰台は逃したものの堂々たるリザルトを残した。

最後に横山選手からは、

「ヒストリックカーは展示していても美しいし、街で走っている姿を見てもうっとりしますが、サーキットで走る姿こそ、ヒストリックカーが一番セクシーに思える場だと思いますので、皆さんもぜひサーキットにも足を運んでいただきたいです」

というメッセージをいただいた。来春のJCCA筑波ミーティングで、音、匂い、スピード、五感でレーシングマシンを感じてみてはいかがだろうか。

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