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96年前のル・マンで優勝したベントレーが東京を走った!「コッパ・ディ東京」に降臨した「オールド・マザー・ガン」とは?

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)

  • この個体はベントレーの名作「4 1/2 Litre」の第1号車およびプロトタイプでもある
  • ベントレー 4 1/2 Litre:シャシーナンバーは、4 1/2 Litreの1号車であることを示す「ST3001」
  • ベントレー 4 1/2 Litre:光量確保のため片方だけ鉄製メッシュカバーを取り付けられた大径ヘッドライト
  • ベントレー 4 1/2 Litre:クラムシェルフェンダーの脇にスペアタイヤを積む
  • ベントレー 4 1/2 Litre:左右両サイドのステップは中に工具やバッテリーを収納している
  • ベントレー 4 1/2 Litre:クラシカルなワイヤーメッシュホイール
  • ベントレー 4 1/2 Litre:はるか約1世紀前のル・マン24時間レースの雰囲気をぷんぷんと漂わせていた
  • ベントレー 4 1/2 Litre:前世紀末、あるいは今世紀初頭に「ST3001」シャシーを起こした当時のオーナーにより、1927年ル・マンのスタイルを完全に再現したレストアが施された
  • ベントレー 4 1/2 Litre:1920年代当時のル・マン用ベントレーならではの特徴が完全再現されている
  • ベントレー 4 1/2 Litre:空気抵抗軽減のためガラスの代わりに金網が張られたウインドスクリーン
  • ベントレー 4 1/2 Litre:1927年6月にベントレー社会長、ウルフ・バーナート大尉自身の名義で登録された
  • ベントレー 4 1/2 Litre:オーナーの涌井清春氏(左)とコ・ドライバーの横倉 典氏(右)
  • 2024年11月23日(土)に開催されたクラシックカーによるタイムラリー形式のイベント「第18回コッパ・ディ東京」
  • ベントレー 4 1/2 Litre:汐留西公園の周辺をぎっしり埋め尽くした観衆に見送られてスタート
  • ベントレー 4 1/2 Litre:直列4気筒SOHC 16バルブ・4398ccエンジンの発する異次元的に野太い排気音を響かせた
  • ベントレー 4 1/2 Litre:神田明神では交通安全の御祓いをしてもらう
  • 汐留イタリア街に数々の名車が集結したコッパ・ディ東京
  • この個体はベントレーの名作「4 1/2 Litre」の第1号車およびプロトタイプでもある
  • ベントレー 4 1/2 Litre:汐留西公園の周辺をぎっしり埋め尽くした観衆に見送られてスタート
  • 汐留イタリア街に数々の名車が集結したコッパ・ディ東京
  • ベントレー 4 1/2 Litre:コッパ・ディ東京に参加して都内の景勝地をドライブした

1927年式ベントレー 4 1/2リッターが秋の都内を元気に疾走

2024年11月23日(土)に開催されたクラシックカーによるタイムラリー形式のイベント「第18回コッパ・ディ東京(Coppa di Tokyo)」は、例年にないほどの好天と109台のエントリー車両に恵まれました。いつも素晴らしいクラシックカーたちが集結することで知られ、毎年ギャラリーからも高い人気を誇るイベントですが、とくに今年は、1台のスーパースター級ヴィンテージ・ベントレーが、スタート/ゴール会場および東京都心の沿道で、まさしく威容ともいえる存在感を披露していました。一体どんなクルマなのでしょうか?

今年で18回目、東京都心と下町をクラシックカーで走るコッパ・ディ東京とは?

「コッパ・ディ東京」は、2008年に台東区からの依頼で上野の国立博物館で開催され、翌2009年の第2回からはサン・マリノ共和国全権大使の支援により、スタート/ゴール会場を汐留イタリア街に移して現在に至っている。

メイン会場となる汐留西公園には、朝7時ころからエントリー車両とギャラリーが続々と集まり、会場は珠玉のクラシックカーたちによってみるみると占拠されてゆく。

「Coppa di Tokyo」というイタリア語のイベント名を名乗り、汐留イタリア街を会場としていることからも想像には難くないが、このタイムラリーで最大会派を成すのはイタリア車。フィアットやアバルト、アルファ ロメオにランチアなどの定番人気モデルはもちろん、フェラーリやマセラティなどのエキゾティック系。さらにはバンディーニなどの知る人ぞ知るレーシングカーに至るまで、素晴らしいクルマたちが数多くエントリーしていた。

しかし、コッパ・ディ東京の主役はイタリア車だけではない。最前列からスタートする第二次大戦前のブガッティたち、あるいは戦後のアルピーヌなどに代表されるフランス車。ポルシェ「356」などのドイツ車。昨今急速に勢力を伸ばしている感のある、国産クラシック勢。あるいはワイルドなアメリカ車たちも存在感を見せつけていた。

さらには東京都内を舞台とし、比較的スピードレンジの遅いこのイベントの名物となっている、メッサーシュミットやBMW「イセッタ」などの「カビネンローラー」軍団は今年も大挙してエントリー。会場の人気を博していた。

でも、今年のコッパ・ディ東京における最高のトピックとなったのは、ほかのエントリー車両たちを圧するごとき威容を誇る、1台のヴィンテージ・ベントレーが姿を現したことであろう。

全世界に現存しているW.O.時代のベントレーのなかでも、歴史的にもっとも重要な個体のひとつ、1928年のル・マン24時間レースにて総合優勝を飾ったベントレー「4 1/2 Litre」、「オールド・マザー・ガン」の愛称とともに世界に知られる個体だったのだ。

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