砂漠のオアシスから着想を得たコンチネンタルGTCスピードが登場
ベントレーはマリナーによる特別コレクション「エクスプレッションズ・オブ・テクスチャー」を、カリフォルニア州の顧客のために製作したと発表しました。4台の新型「コンチネンタルGTCスピード」をベースに、カリフォルニア州パームスプリングスやランチョミラージュの壮大な風景、景色、空からインスピレーションを得て製作。いったいどのような特注装備が用意されたのでしょうか?
用意されたエクステリアは4種類
4台からなるベントレー「コンチネンタルGTCスピード」のコレクション「エクスプレッションズ・オブ・テクスチャー」は、マリナーのビスポークスタジオが提供する創造的な可能性を視覚的、触覚的に示すものである。このコレクションは、ベントレーの正規ディーラー「ベントレー ランチョミラージュ」とマリナーのオーダーメイドチームが共同で創り上げたもので、双方が互いに刺激し合いながら、創造性の高みを目指した。
砂漠のリゾート地であるカリフォルニア州ランチョミラージュは、コーチェラ渓谷の変化に富んだ壮大な風景のなかにあり、チームはこの風景から着想を得て製作。エクステリアは、ピーコックブルーサテン、ゴーストホワイトパールサテン、ハバナサテン、ブリティッシュ・レーシンググリーンサテンの4種類が用意され、塗装にはそれぞれ55時間にも及ぶ丹念な職人技が駆使されている。そのほかにも2億年前の石を薄く加工した石板や、コロラド砂漠のコーチェラ渓谷の風景を取り入れた特注のブラインド・エンボス加工がシートバックに施される。
ピーコックブルーサテン仕上げのモデルは、サテンカーボンファイバー、エレクトロブルー、ピーコックブルーの3色からなるカーボンファイバーが星空が輝く夜空を表現し、エクステリアを引き立てている。インテリアは、ピーコックブルーサテンのツートーンカラーのフェイシアがスレート・ストーンベニヤと組み合わされ、エレクトロブルーのピンストライプで仕切られている。シートアッパーとトノカバーにはセレニティキルティングが施されるなど、絶妙な仕上げが施されている。
コーチェラ渓谷の砂漠を表現
ゴーストホワイトパールサテン仕上げのモデルにはシルバーテンペストピンストライプを備え、流れるようなグラフィックは砂漠の砂丘を表現し、100時間をかけて製作された。オータムストーンのウッドパネルの上にゴーストホワイトパールサテンを施し、繊細で洗練された印象を与えている。
ハバナサテン仕上げのモデルは、コーチェラ渓谷を囲む険しい山々と夕陽をイメージしている。コニャックとバーントオークのレザーを使用したインテリアは、特注のブラインドキルティングを施したシートバックと、カリフォルニアのデスバレーの地形をデザインしたトノカバーによってさらに引き立てられている。フロアマットにも同じ地形図のデザインが3Dで刻まれ、フェイシアとコンソールには、ブロンズのピンストライプで仕切られたカッパーストーンベニアの上にハバナサテン仕上げが施されている。
マリナーのチーフ・コマーシャルオフィサーであるデイヴィッド・パーカー氏は、
「エクスプレッションズ・オブ・テクスチャー・コレクションが、マリナーのオーダーメイド・スタジオが提供するあらゆる可能性を探求するきっかけになることを願っています。マリナーの目標は、お客様の想像を超えた可能性を引き出すことです」
と語っている。
AMWノミカタ
新型コンチネンタルGTCスピードのデリバリー開始のニュースはまだ聞かれないため、今回のコレクションは現行型のコンチネンタルGTCの「ラスト・オブ・ライン」的な最終モデルとして企画された特別なコレクションだと思われる。今回の目玉はシートアッパーとトノカバーに施された砂漠をイメージしたブラインドキルティングであろう。
完全にオリジナルでデザインされ、製造されたこの模様はマリナーの技術力の高さを示す好例となり、またビスポークスタジオの存在意義を高める。ロールス・ロイスは「プライベートスタジオ」という名の顧客のビスポークオーダーを直接受けるオフィスをイギリス、上海、ドバイ、ニューヨークに持ち、近日ソウルにもオープンするという。ラグジュアリーブランドのビスポークオーダーの需要は今後ますます高まると予想される。そんな中でベントレーらしい個性をどう出してゆくか、クルマと同様にこの点も競争になってゆくのであろう。