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地中に埋まっていた「サイデスカー」をレストアして路上復帰! ホンダ「カレン」ベースの「原付カー」の燃費はリッター50km!!【マイクロカー図鑑】

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 近藤浩之(KONDO Hiroyuki)

車体の1/4が畑に埋まっていた状態からレスキュー&レストア

「2年ほど前、クルマつながりの知人から“畑の中にクルマが埋まっているぞ!”と連絡がありまして、さっそく見に行きました。それがこのサイデスカーだったんです」

と、愛車との出会いを話してくれたのはオーナーの“ロンサムカーボーイ”さん。そのハンドルネームからして1980年代のカーオーディオ風だがそれはさておき。

「もともとタイヤのついたものならなんでも好きだったのですが、なかでも旧いシンプルなクルマ、小さいクルマが好きだったので所有者と交渉してこの個体をレスキュー、レストアすることにしました」

発見当時、車体の1/4ほどは地面に埋まっていたそうで、掘り出すだけでもさぞ難儀だったろうと推察。当然、機械部分の多くは錆で動かず、ボディの傷みも進んでいたが、地元のクルマ仲間たちの協力もあり、ついに路上復帰を果たす。

今も現役バリバリの「シティカー」

ユニークなキャビンの造形はかのムーンクラフトの手によるものともいわれるが(同社の公式ウェブサイトには未記載)、レース業界につながりのある乗りもの館ということを考えれば、たしかにその伝にも納得がいく。

じつは“ロンサムカーボーイ”さんは趣味のクルマとして、他にも初代三菱「ミニカ」(LA21)や1997年式のフォルクスワーゲン「ビートル」(いわゆる「メキシコ・ビートル」)も所有しているそうだが、毎日15kmほどの通勤には主にこのサイデスカーを多用しているとのこと。

2輪車ベースの3輪車だからサイドカー? いや、サイドカーではなく日本初の全天候型バイクなのです。なるほどさいですか。というわけでサイデスカー(たぶん)。原付免許で乗れる50km/Lの省エネカーは、誕生から半世紀経った今も現役バリバリの「シティカー」なのである。

■「マイクロカー図鑑」過去の紹介モデルはこちら

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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