車体の1/4が畑に埋まっていた状態からレスキュー&レストア
「2年ほど前、クルマつながりの知人から“畑の中にクルマが埋まっているぞ!”と連絡がありまして、さっそく見に行きました。それがこのサイデスカーだったんです」
と、愛車との出会いを話してくれたのはオーナーの“ロンサムカーボーイ”さん。そのハンドルネームからして1980年代のカーオーディオ風だがそれはさておき。
「もともとタイヤのついたものならなんでも好きだったのですが、なかでも旧いシンプルなクルマ、小さいクルマが好きだったので所有者と交渉してこの個体をレスキュー、レストアすることにしました」
発見当時、車体の1/4ほどは地面に埋まっていたそうで、掘り出すだけでもさぞ難儀だったろうと推察。当然、機械部分の多くは錆で動かず、ボディの傷みも進んでいたが、地元のクルマ仲間たちの協力もあり、ついに路上復帰を果たす。
今も現役バリバリの「シティカー」
ユニークなキャビンの造形はかのムーンクラフトの手によるものともいわれるが(同社の公式ウェブサイトには未記載)、レース業界につながりのある乗りもの館ということを考えれば、たしかにその伝にも納得がいく。
じつは“ロンサムカーボーイ”さんは趣味のクルマとして、他にも初代三菱「ミニカ」(LA21)や1997年式のフォルクスワーゲン「ビートル」(いわゆる「メキシコ・ビートル」)も所有しているそうだが、毎日15kmほどの通勤には主にこのサイデスカーを多用しているとのこと。
2輪車ベースの3輪車だからサイドカー? いや、サイドカーではなく日本初の全天候型バイクなのです。なるほどさいですか。というわけでサイデスカー(たぶん)。原付免許で乗れる50km/Lの省エネカーは、誕生から半世紀経った今も現役バリバリの「シティカー」なのである。
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