いつまで走ってもひたすら荒野……
ダリー・リバーのペリーズ(Perry’s)に向かって、ひた走る。ノーザンテリトリーの大動脈、スチュワート・ハイウェイをひたすら南下すると、ようやく「ダリー・リバー・クロッシング」のサインが出た。アメリカではクロッシングは「交差点」の意味だが、オーストラリアでは「橋、または川を渡れる道」を指す。さあ、もうすぐだ!
しかし、最後の分岐を曲がってから、いくら走っても荒野が広がるばかりだ。携帯の電波はすぐに届かなくなり、15分に1台ほど、対向車がポツンと来るだけ。本当にペリーズに着けるのだろうか? 心細くなった原因はもうひとつあった。燃料の残りが半分近くになってきたのだ。もし、この先に何もなければ、引き返さなくてはならない。引き返した先のガソリンスタンドまでの燃料は残しておきたい。
あと10分走って何もなければ、考えよう。
そう思って走っていると、ありました!「PERRY’S ON THE DALY」のサイン! これで大丈夫だ!
ほっとして右折すると、そこから道はアンシールド(未舗装路)に。ラフなオフロードを走ること20分、ようやく伝説のガイド、ペリーが営むキャンプ場に到着した。
そして、腰を抜かした。こ、これは……!
そこには天国のように美しい、素晴らしいキャンプグラウンドが広がっていた。
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