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現存わずか10台のポルシェが約600万円弱で落札! 激レアでも安く手に入れられるのは「928 シリーズ4 SE」でした

2万9900ポンド(邦貨換算約589万円)で落札されたポルシェ「928 シリーズ4 SE」(C)Bonhams

超マニアックなポルシェ928が登場

2024年7月12日、ボナムズ社がイギリスで開催した「グッドウッド フェスティバル オブ スピード オークション」においてポルシェ「928 シリーズ4 SE」が出品されました。ポルシェ928を知っている方でも、このモデルの詳細を知る人は、相当なポルシェ・マニアです。じつはシリーズ4 SEクーペはわずかに42台が生産され、イギリス市場へとデリバリーされたモデルでした。

大事に乗られてきた1台

今回出品されたのは美しいガードレッドのボディカラーを持つものだが、さらにここまで条件を狭めると該当するモデルは3台のみ。ちなみに現在でも生存が確認されているシリーズ4 SEクーペは、すべてのモデルを合わせてもわずか10台にすぎないという。

シャシーナンバーとエンジンナンバーは、もちろんマッチングしており、現在までの走行距離は9万5808マイル(約15万3293km)。前オーナーがこのモデルを大切に扱ってきたことは、その内外観のコンディションはもちろん、エンジンまわりでもカムベルトやウォーターポンプ、スパークプラグ、フィルター、センサーなど、広範囲にわたって定期的な整備を行ってきていることからも窺われる。

さらに、インテークマニフォールド、燃料システム、カムカバー、ウォーターディストリビューションシステムも取り外す、トップエンドのリフレッシュ作業までもが行われていることも証明されている。エンジンルーム全体は綺麗にクリーニングされ、ほかにも基準に達していない部品は修理、または交換されたという。

リアに配置されるクロスレシオの5速MT、そしてリミテッドスリップ・ディファレンシャルもまた完全に整備され、ギアチェンジはスムーズで確実。クラッチも軽くスリップやジャダーも発生しないとボナムズ社は報告する。もちろん機械的な整備のみならず、電気系統もきちんと清掃、および点検されており、新しい燃料ポンプとフィルターも装着された。まさにフル整備によって新車時の走りを取り戻した、これからポルシェの世界に足を踏み入れようというマニア予備軍には最高の1台といえるのではないだろうか。

新車時からの整備記録付き

車両には付属書類として、新車時からの整備記録、各種のモーターテスト証明書、および過去2年間に実施されたメンテナンスの詳細な記録と写真が備わるほか、ポルシェ・オリジナルのレザー・ウォレット、オーナーズ・ハンドブック、こちらも非常に良好な状態の車載工具一式、そしてPCGB(ポルシェ・クラブ・イギリス)の主催した第1回コンクールで受賞したトロフィーも添えられる。

ボナムズが、このポルシェ928 シリーズ4 SEクーペに掲げたエスティメート(推定落札価格)は3万~5万ポンド(邦貨換算約591万円~985万円)。しかも最低落札価格はなしという条件でのオークションだったため注目度はさらに高く、結果的に落札価格は2万9900ポンド(約589万円)という数字で落ち着いた。

実車のコンディション、そして最初に触れた希少性、そして何よりそれがポルシェというブランドの作であることを考えれば、これはまずは妥当な結果だったといえるのだろう。落札者にとってそれは、きっと何よりも素晴らしい買い物だったに違いない。

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