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日産「パオ」の購入はトヨタ「クレスタ」への未練を断ち切るため…!? ヤンチャ系から可愛い系へと乗り換えたオーナーもまんざらではない?

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TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸(ガスグラフィックス)

  • 1989年式の日産パオとオーナーの“ノラ”さん
  • 日産 パオ:ローダウンを施したことで、可愛らしさと精悍さが混じりあう
  • 日産 パオ:丸型のリアテール類もパオの特徴
  • 日産 パオ:丸目ヘッドライトの定番ドレスアップパーツ、アイブローを装着
  • 日産 パオ:白に彩られたスチール製ホイール。ムーンアイズのエアバルブもちょうどいいアクセントに
  • 日産 パオ:マフラーは、兄弟車のフィガロ純正を流用し、さりげなく2本出しへと変更
  • 日産 パオ:ルーフキャリアも木製で製作し、パオの古めかしいデザインに合わせている
  • 日産 パオ:ナルディ風のステアリングはφ29cm。内装は外観同様に可愛らしさを強調
  • 日産 パオ:シートカバーは当時物をそのまま使用している
  • 日産 パオ:インナーのドアグリップは、某ブランド製バンドに変更。“ノラ”さんいわく「内装は年式相応の程度でしたが、そのままにしています」
  • 日産 パオ:キャンプ場にこの車両で乗りつければ、注目されること間違いなしのキュートさが滲み出ている
  • 日産 パオ:パイクカーシリーズの第2弾として登場したパオ。丸目二灯のクラシカルなデザインが、当時でも大人気だった

日産パイクカーシリーズの次男坊パオ

バブル時代は、高性能な車両だけではなく、遊び心満点の車両も数多く生産されました。日産では初代K10型「マーチ」をベースにした「Be-1(ビーワン)」を皮切りに、「パオ」「エスカルゴ」「フィガロ」「ラシーン」と、5車種にわたって「パイクカー」=常識や流行にとらわれない尖ったクルマを生み出したのです。今回は、「第一弾エクスペディション杯」で出会ったパオに乗る“ノラ”さんに話を聞きました。

クレスタのエンジンブローをきっかけに、ヤンチャ系から可愛い系に転身

2024年6月16日に宮崎県小林市にある生駒高原で開催された「第一弾エクスペディション杯」は、セダン、ミニバン、軽自動車、ワンボックスカーなど、ドレスアップを施した多様な車種が参加していた。その中でも、異色の存在感を放っていたのが日産「パオ」。バブル時代に登場した日産のパイクカーシリーズの中の1台であり、このようなドレスアップ系イベントで目にする機会は少ない。そんな理由もあって、会場内でより一層目立っていたのだった。

「本当はスズキ 4代目 アルトワークスで参加するつもりだったのですが、足まわりが間に合わなくて……。その結果、もう1台の愛車であるパオで参加することにしたのです」

そう話してくれた“ノラ”さん。もともとは、トヨタ3代目GX71型「クレスタ」に乗っており、どちらかといえばヤンチャな方向性のスタイルを楽しんでいた。ところが2年前にエンジンブローで不動状態となり、泣く泣く手放した結果、次なる愛車として選んだのがパオだった。

「周りの友達や先輩達は、旧車に乗り続けています。それを見ているとトラブルで手放したことを思い出して悲しいし、また乗りたくなってしまいますからねぇ。それだったら、今まで自分とは接点が無かった方向性のクルマを選んで、クレスタへの思いを断ち切ろうと考えたのです(笑)」

キャンプもドレスアップも楽しめる優れもの

パオは見た目の可愛らしさはもちろんだが、足まわりなどを改造することでオシャレに、かつキャンプにも使えることに魅力があると教えてくれた“ノラ”さん。実際、その愛車はノーマルの可愛らしさを残しつつ、さまざまなカスタムが施されていた。

適度に施されたローダウンは、車高調をラルグス製パオ専用ダウンサスへと変更。ホイールはスチール製で、エアバルブはムーンアイズのアイボール仕様に。マフラーはノーマルでは1本出しだったため、2本出しの日産「フィガロ」純正を加工流用。ヘッドライトは、フォルクスワーゲン「タイプ1」(ビートル)でお馴染みのアイブローを装着し、より一層キュートな表情を演出している。

「クレスタを思い出さないように、方向性を変えて良かったです。昔より気負いなく、楽しく運転できるようになりましたから(笑)」

愛車が変われば人も変わる!? それが本当かどうかは不明だが、愛車のスタイルの方向性次第で乗り手の気分が変わるのは、間違いないようだ。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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