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父から引き継いだダットサン初代「サニー」でサーキットに復帰!「80年代のレースの雰囲気を極力残していきます」

古くからヒストリックカーレースを楽しむ小宮山昭夫さん(父/左)と祐一さん(息子/右)。この日は偶然サーキットで会ったという

80年代からJCCAヒストリックカーレースで走っていたB10サニー

JCCA(日本クラシックカー協会)主催の「JCCA筑波ミーティング」が2024年10月13日に筑波サーキットで開催。今回紹介する小宮山祐一さんのダットサン初代B10型「サニー」は、元はお父様がレースで乗っていたマシンなのだとか。旧車レースに魅せられた小宮山家3代にわたるストーリーをお届けします。

筑波サーキットで父と偶然遭遇

2024年10月13日に筑波サーキットで秋の部が開催された「JCCA筑波ミーティング」の前日の練習走行にて、

「昨日テスト走行する予定だったのですが、クルマが出来上がったのが今朝10時。ギリギリになってしまいました」

とパドックで走行準備をしていたのは、ダットサン初代B10型「サニー」を持ち込んだ小宮山祐一さんだ。そこに現れたのは父の昭夫さん。

「俺が乗ってたサニーが来てるよって友達に言われて、こっち来たんだよ。いやー、このサニー見るの30年ぶりじゃね~か?」

「いやいや長くても10年くらいだろ。30年前は親父が乗った頃だろ。ちょっとボケちゃった?」

とショートコント(?)を披露してくれた小宮山さん親子。父の昭夫さん自身も、長くヒストリックカーレースに参戦してきた経歴の持ち主だ。息子の祐一さんはこう語る。

「明日はレースではなく、走行会に申し込んでいるのですが、これなら他の人に迷惑かけないで走れます。今、父とは本当に偶然会ったのですが、ピットに父がいて、タイム計測してくれたのは、懐かしく感じます」

しばらく寝かせていたというサニーを整備し、練習走行でキャブのセッティングやブレーキなどを確認して翌日の本番に備えていた。

2003年にはこのB10サニーでアイドラーズゲーム優勝

小学校低学年の頃から父に連れられて筑波サーキットに通ったという祐一さん、自動車メカニックの道へと進み、ディーラーメカニックを経てJクラフトで経験を積み、2010年に独立。現在は自身のショップ「カーサービス D COMMIT」の代表として、一般車の販売、車検整備を7割、旧いクルマの整備3割といった仕事をこなしている。

もちろん祐一さん自身もステアリングを握りレースを楽しんでいるそうだ。

「初めてサーキットを走ったのは、父が3万円だったか5万円で見つけて来てくれたEP71スターレットのプロダクションカー。2001年にもてぎを走りました。その翌年に“このB10に乗れ!”と父に言われてアイドラーズゲームという年4戦のレースに出場したのですが、シリーズ2位で悔しかった思い出が残ってますね」

その翌年の2003年には、B10サニーでの戦闘力不足を感じたのか父の昭夫さんは自身のB10を息子の祐一さんに託すが、祐一さんはこのB10で見事シリーズチャンピオンを獲得した。翌年から就職しディーラー勤務となった祐一さんは、日曜日は休めず、スポット的にレース参戦していたという。

「仕事が休める時にはエントリーして、年1回くらいはレースに出ていましたね。2006年にJCCAのSクラスに510ブルーバードでクラス2位に入ったのが、初めてのJAF公認レースでの入賞でした」

その後は新たにFクラス、Pクラスの「フェアレディZ」を製作して参戦。2014年からは会社員時代の先輩と510ブルーバードで偶数の年に耐久レースへ参戦し、それぞれ優勝を含む入賞も多数経験したそうだ。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

親子3代でサーキットを楽しむ日も遠くないかも

こうして何台かのサーキット用マシンがあるなか、今回B10サニーを選んだ理由を祐一さんに聞いてみた。

「今回4年ぶりのサーキットなのですが、このサニーを覚えてくれてる人はいるのかな? というのが理由です。1980年代からJCCAを走っていた車両なので、極力当時の雰囲気を残すように維持してきましたし、主催の岡さんもすぐに気づいてくれました。アルティアさんには“これ俺のだよ”なんて言われましたよ。父が当時アルティアさんから譲ってもらったクルマなんですよ」

そして翌日のJCCA筑波ミーティング、入場してきたB10サニーには祐一さんと、その息子の巧くん親子の姿があった。

「息子ですか? 昔はトミカとか好きでしたが、今はゲームですね。でも今日は楽しかった、来年も連れてきてねと言ってましたね。僕が走っていると必然的に応援もするでしょうから、それも面白みに感じたのかな」

近い将来、小宮山親子3代がサーキットを楽しむ姿を見たいのは、きっと筆者だけではないだろう。

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