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50年前に購入したフィアット「X1/9」との壮絶イタ車泥沼生活とは? 21年ぶりに路上復帰したオリジナルコンディションをキープした1台を紹介します

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)

壮絶なクルマ昔話とは

どうやら、アイドリングが安定しなかったり、コーナリング中にグイ~ンときつく曲がるとエンジンストールしたり、キャブレターのスロージェットにゴミが詰まったりしていたらしい。あるときは坂道で駐車する際にサイドブレーキが利かなくなり、ギアを1速に入れてハンドルを左いっぱいに回しておいたこともあったという。

ほかにも、左片輪を縁石に乗りあげて駐車して運転席を降り、ドアをバタンと閉めたらバシャッという音とともにドアガラスが粉々に砕け散った話や、アクセルを踏んだら根元から折れたこと、夜中にアクセルワイヤーが切れてしまい、暗闇での修理が不可能なのでチョークをアクセル代わりに使って走ったこと、フロントにあるラジエターホースが外れてクーラントが噴出した……といった壮絶なエピソードも披露してくれた。

「父が元気だった頃、高速道路がまだ青森まで完成していなかったときに八戸までツーリングに行ったことがありました。父は長距離を走ってもX1/9のシートが疲れないことにビックリしていました。この頃は軽快に走っていましたね。本当に毎日乗りたい相棒でした。

その後、だんだん調子が悪くなってきてしまい、遠乗りして故障するとお金もかかるし苦労するので、家の近くだけを走っていました。ナンバープレートを返納したくなかったので、1年車検になっていて大変でしたが通していました。しかし、通すだけの作業をやってもらっていたので、調子が悪くなってもそのままになってしまい……これが乗れなくなった原因だと思います」

21年ぶりの路上復帰を果たす

X1/9が長い眠りにつく前の最終車検は1988年7月14日とのことで、その後、“hirodent”さんは20年にわたって愛車を動かすことはなかった。

「いつかまた自分で直して乗ってやろうと思っていたので、2007年にインターネットを検索していたらX1/9のクラブが存在することを知りました。そこにメールで連絡し、アドバイスをもらったり、サポートしてもらったりして、自力復活へ向けての作業をスタートさせました。

すべて直したので、路上復帰まで2年かかりました。1人での作業は限界がありましたので、最終的にはプロにお世話になり、2009年7月30日に車検を通すことができました」

せっかく保ってきたオリジナルの状態を今後もキープしていきたいと話してくれたので、50年前に輸入されたディテールが色濃く残っているこの貴重な個体を、機会があったらぜひ見てほしい。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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