超高級車でも路上駐車が多いのはなぜ?
日本でも発表されたBMWの新型ハイパフォーマンスモデル「M5」。最新モデルはE60型以来となる、セダンとツーリングの2種類が登場しました。ドイツ在住の池ノ内みどりさんのご近所で、2台の新型Mを発見。大きくなったボディのM5を見た、住宅地の駐車場事情を紹介します。
ル・マン24時間レースでVIPゲストのみに極秘公開されていた!?
ミュンヘンの冬は晴れる日があまり多くなく、毎日どんよりと曇り空が続きとても気分が滅入ります。日中最高気温は3℃前後で寒いので、なるべく外出をしたくありませんね。
日本では2024年10月にお披露目となりましたが、北米で7月16日にプレゼンテーションされたBMW新型「M5」。私の住むミュンヘンにあるBMWの本社敷地内にあるBMW Weltでは、北米との時差の関係で翌日の7月17日発表となりましたが、朝から新型M5のノーマルモデルとM パフォーマンスパーツがフルに装着されたモデルが同時に展示となり、数多くの方が連日詰めかけておられました。
じつはそれより前の2024年6月に開催されたル・マン24時間レースのBMWのVIPホスピタリティで、極秘にVIPゲストのみに公開されていたそうなのです。もちろん私はそんな高貴な場所には招待されるはずもなく、毎日ル・マンのパドックにはおりましたが、その極秘お披露目の場にいらした方から楽しそうな雰囲気だけを羨ましく聞いていました(笑)。
ミュンヘン市内のアパートの駐車場は激狭
ドイツでは10月末か11月初旬頃から一般の方へ新型M5のデリバリーが始まったようで、早くもご近所さんたちがゲットされたようです。グリーンのツーリングはお向いのアパートの方で、黄色いのはウチから150mほど離れたアパートの前に駐まっていました。
ドイツでの税込み車両本体価格はセダンが14万4千ユーロ(約2361万円)から、ツーリングが14万6千ユーロ(約2394万円)からと、私にとってはとんでもないお値段です。
こんな高級車と、ちょっと心配になりますよね。新型M5の数分の1の価格の私の愛車も以前は同様に家の近所に縦列駐車をしていたのですが、アンテナの盗難、ご近所さんのヘタクソなバックに激突された、誰かに10円傷どころじゃないキリか細いドライバーでお絵描きレベルの傷を付けられたことも。さらには縦列駐車に失敗した人が勢いよく私の愛車のフロントバンパーにバックで激突してクルマが浮き上がるレベルでの衝撃……偶然窓拭きをしながら見ていた私はすぐに当てた本人に文句を言いに行ったところ、「知らない、証拠を出せ」と大喧嘩になり、警察を呼ぶハメになったことも。
当て逃げにも何度も遭っています。いまは激狭ながら近隣の地下駐車場に停めているので安心ですが、この新型M5のように超高級車に乗っておられる方々は心配じゃないのかな? と、実際にいろいろやられた経験のある他人の私が心配してしまいます。
しかし、ミュンヘン市内の多くの駐車場はアパートの地下にあり、その出入口が狭いだけでなく、デュプラックスという狭い機械式の駐車場で高さや横幅の制限もありますので、新型M5が入る所はかなり少ないのではないかと思います。新築に近いアパートならば広めの駐車場ですが、たいがいは非常に狭いのです。
小さな車両でも駐車するのにひと苦労
私の愛車は新型M5に比べたらかなり小さな車両ですが、それでも駐車には非常に気を遣います。バックで勾配を上り、車停めを乗り越えて駐車をしますが、ガッシャーン! と地下に大きな音が響き渡るので毎回ドキドキします。
前向き駐車も試したのですが、フロントバンパーがスレスレで断念。お隣の方は旧型のメルセデス・ベンツのCクラスを停められているのですが、必ず前向き駐車で運転席側を広めに取られるので、必然的に私側にギリギリ寄せて駐車ということになり、お互いドアパンチには要注意です。
私の運転席側は非常に狭いので助手席側から降ります。平置きの駐車場もあるにはあるのですが、価格が高く空きもなかなか出ません。以前は平置きの駐車場を借りていたのですが、私にとっては高額なためにコロナ禍で手放し、いまの狭い所へ一旦引っ越しながら毎日のように近隣で安くて停めやすい地下駐車場を探しています。ですから、この2台の新型M5オーナーさんたちも、おそらく駐車場を探したものの見つからなかったのではないかと予想しています。
イベントがあるたび大渋滞…当て逃げされる可能性も
ドイツには日本のような車庫証明は不要なのですが、たとえば私の住むミュンヘン市内では居住者用の駐車の証明書を市役所で申請すれば、そのエリア内に路上駐車ができます。とくに私の住むエリアは駐車場不足であり、ミュンヘンオリンピックの記念公園がありますので、イベントがあるたびに大渋滞で当て逃げもされやすいので、私としては安全に停められることは重要です。
とくに夏場に行われるスタジアム等のコンサートやイベント後には深夜0時前後まで渋滞が続き、夜遅くに仕事からクタクタになって帰ってきて駐車するスペースがなく、仕方がないのでもう一度郊外のファストフードのお店に行って時間を潰した経験が何度もあります。