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気分はスーパーカーブームの頃の小学生!「博物館のようで博物館でない」古き良き時代のアメ車の数が半端ない施設を飛び込み取材

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了(HARADA Ryo)

ヘリテージアメリカンの品揃えが半端なかった!

その一方で翌日訪ねたサークルHオートセールスは、その名が示しているように、明らかにクルマの販売店、もう少し詳しく言うなら中古車販売店だ。しかしその「品揃え」が半端なかった。じつは高速道路を走っていて左手、つまり反対車線の向こう側にデカい看板が立っていて、その下に旧い「マスタング」が2台、そして看板に連なる駐車場に「マーキュリー」や「ベルエア」、「インパラ」といった旧車が並んでいたのを発見。約1マイル(約1.6km)先の出口でI20(インターステーツ=州間連絡道路20号線)を降り、アンダーパスで折り返して側道を引き返す。

こんな場合にアメリカの、インターステーツも含めて高速道路は便利。基本的に通行料は無料だから料金所を設置する必要がなく、結果的にインターチェンジ=出入口の間隔が短く、多くの場合側道も整備されているから、引き返すのも容易だ。こうして辿り着いたサークルHオートセールスには旧車だけでなく、チョップドルーフのクルマも少なくなかった。またアメリカではベストセラーとなっているピックアップも多く在庫していた。

正直言ってこれまでは、その世界にはあまり見向きもせずに育ってきたから知識もデータも多くはないのだけれど、1941年式フォードの2ドアクーペをベースにピラーを切ってルーフを下げたチョップトップの格好良さにはひと目惚れしてしまった。またGMC「シエラ」の後輪ダブルタイヤの迫力も好感だった。

もちろん現実のクルマとしての評価ではなく、コレクション的な評価としては100点満点のレベル(さまざまな理由から自分で手に入れるならミニチュアカーにしか可能性がないのが残念だが)となっている。それはともかく彼の地でもクラシックカーの愛好者が増加しているのは事実のようで、急遽立ち寄ったこの日は平日だったにもかかわらず、何組ものお客さん(購入希望者)が店員から説明を受けていた。

そんな状況の中でカメラを持って飛び込み取材したのは、1970年代に都内環八沿いにあったスーパーカーのディーラーにカメラ小僧が駆けつけたようなもの。もっとも時代が半世紀ほど進み、カメラ小僧が六十路の坂を一気に駆け下りてきた爺さんジャーナリストとなった違いはあるけれども、クルマが魅力的なことは古今東西を問わず共通していることを再確認した次第だ。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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