ザ・ペニンシュラにふさわしい特注モデルが登場
ベントレーは、ザ・ペニンシュラホテルズのフラッグシップであるザ・ペニンシュラ香港に、「ベンテイガ EWB アズール」の特注モデル4台を納車したと発表しました。ベントレーのコーチビルド&オーダーメイド部門であるマリナーが用意した特別なモデルは、どのような仕様なのでしょうか。
マリナーとザ・ペニンシュラが共同で製作
2024年11月27日、ベントレーモーターズは、1928年にオープンしたザ・ペニンシュラホテルのフラッグシップであるザ・ペニンシュラ香港に、4台の「ベンテイガ EWB アズール」を納車したと発表した。2024年初めにザ・ペニンシュラ・ロンドンに4台の特注モデル「ベンテイガ ハイブリッド」が導入されたのに続き、ザ・ペニンシュラ・ホテルは他のどの高級車よりも広いキャビンを提供する、エクステンデッド・ホイールベースのベンテイガを導入。運転手付きのハウスカーを増強することにした。
この4台は、ベントレーのオーダーメイドおよびコーチビルド部門であるマリナーのデザインチームとザ・ペニンシュラが共同作業で製作。英国クルーにあるベントレーのドリームファクトリーで、ひと目でザ・ペニンシュラのクルマとわかるデザインに仕上げられた。
エクステリアに2本のコーチラインを施す
このベンテイガ EWB アズールは快適性を最大限に追求したウェルネス仕様で、エクステリアにはベントレーのペイントショップがサンプルから作り上げた「ペニンシュラ・グリーン」を採用。濃厚なダークグリーンは、ボディ下部のブライトウェアやバンパー下部の開口部にあるマトリックスグリルまで塗装され、クリーンでモダンなカラーブロックの外観をもたらしている。
このボディはハニーゴールドを基調としたコーチラインによって引き立てられ、2本のラインはベンテイガ EWBのサイドプロファイルのパワーラインとリアフェンダーをなぞっている。フロントドアには、ザ・ペニンシュラ香港の親会社であり、ザ・ペニンシュラホテルを所有・運営する香港&上海ホテルズのエンブレムがあしらわれている。
4+1コンフィギュレーションのインテリアは、クラシックなベントレーのテーマを現代的に解釈したものである。キャビンの大部分はサドルレザーで縁取られ、コントラストカラーのベルーガレザーがドアウエストレール、ダッシュボード上部、ステアリングホイールに使用されている。
バーウォールナットの暖かみのある色調は、この2色のレザーと完璧に調和し、ダッシュフェイシア全体、ウエストレール、そしてフロントシートの背もたれにはウッドのピクニックテーブルがあしらわれている。サドルの刺繍が施されたベントレーのエンブレムは4つのシートすべてに追加され、ムード照明とリアシートエンターテインメントも装備されている。
2024年11月下旬から運行開始
マリナーの最後の仕上げとして、ティッシュや使用済みリフレッシュメントタオルを収納するボックスがリアドアポケットに取り付けられ、リアキャビンにUSB充電ソケットが追加された。さらにリアアームレスト、ピクニックテーブル、フロントシートバック、ヘッドライニングに70mmのメタルサインが取り付けられ、特注の「ザ・ペニンシュラ」イルミネーテッドトレッドプレートが装着された。
この4台は、ザ・ペニンシュラ香港の完璧なショーファーサービスの一環として、2024年11月下旬から運行を開始している。
AMWノミカタ
ロンドンのザ・ペニンシュラはロンドン市内の超低排出ゾーン(Ultra Low Emission Zone)の規制をクリアするためにベンテイガ ハイブリッドをショーファーカーとして採用したが、その規制のない香港では顧客の快適性を重視し、ベンテイガ EWB アズールを採用したようだ。
エクステリアのペニンシュラ・グリーンはすでにベントレーのカラーサンプルとして登録されているものであろうが、コーチラインを入れることでさらに高級感が増すことがおわかりになるだろう。インテリアは暖かみのあるサドルカラーをベースにしており、バーウォールナットとの相性がとても良い。
多くの顧客は2トーンのステアリングを選択するが、「働くクルマ」として汚れの目立たないブラック1色に仕上げている点も好感がもてる。ザ・ペニンシュラ東京はロールス・ロイス「ファントム EWB」と1934年製の「ファントムII」を所有している。
ロールス・ロイスとの関係はペニンシュラ香港が1970年に「シルバーシャドウ」を7台発注したことに始まる。現在、上海、北京、東京、ビバリーヒルズ、バンコクはロールス・ロイスが稼働するが、発祥の地である香港の牙城を崩せたことは、ベントレーにとっては少し特別な想いがあるのではないだろうか。