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驚くのはコンセプトカーだけじゃない! ジャガー・ランドローバーが自動車業界初の新しいシートを開発…1シートあたり44キロ以上のCO2e排出量を削減

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TEXT: AMW  PHOTO: Jaguar Land Rover Automotive PLC

JLRの循環型社会研究所が課題解決を目指す

この成果は、廃棄物の削減と高級車のリサイクル可能性の向上を目的とした、イギリス・ゲイドンにあるJLRの循環型社会研究所での継続的な研究と試験の成果である。従来、自動車は耐用年数が過ぎた後に解体し、素材を容易に分離することはあまり考慮されてこなかった。

この循環型社会研究所は各部門から構成される学際的なチームを結集することで、課題解決を目指している。チームはサプライヤーや素材の専門家と緊密に協力しながら、実践を通して学ぶ方法で車両分解が行われた。研究所から得られたデータは、ガラス、スチール、アルミニウム、ポリマーなどの素材をサプライチェーンに戻して再利用し、新車の生産に活用する技術的可能性をテストする際に直接活用される。

たとえば、フロントバンパーの初期テストではポリマーの使用量を減らしても同等の品質と性能を達成できることが判明し、1つのモデルで17万7500kgのCO2を削減して56万ポンド(約1億648万円)のコストを削減することができた。このアプローチにより、JLRは2025年から低炭素バンパーを新型車に搭載できるようになる。

エレン・マッカーサー財団ネットワークのパートナーに

JLRは、アルミニウム製ボディパネルの産業廃棄物をサプライヤーにリサイクルし、新しいボディパネルに再利用するという画期的なプロジェクトで受賞歴を誇り、すでにクローズドループの成功を収めている。

JLRは2023年よりエレン・マッカーサー財団ネットワークのパートナーとなり、産業転換を含め、事業活動のあらゆる側面に循環経済を適用している。産業転換では、数千台の機器を改修し、再配置することで、能力要件、エネルギー効率、CO2e排出量のバランスを取る取り組みが行われている。これは、完全な電気自動車の未来に備えるための取り組みである。

AMWノミカタ

クローズドループとは「循環型経済」を意味し、主に消費された製品を新たな資源として捉え再利用する仕組みである。新たな素材を加えず「閉じられた輪」の中で製造が循環することからそのように呼ばれている。使用済みポリウレタンは一般的には熱プレスで成型されてほかの製品として再利用されたり、燃料としてエネルギーに変換されたりするが、今回はおそらく粉砕したポリウレタンを分解剤と加熱し元の原料に戻す「ケミカルリサイクリング」の方法を確立したのだと思われる。

JLRの循環型社会研究所の役割は大きく、フロントバンパーの製造の例からも、品質とコストとCO2削減を同時に達成できる好例をJRLは確立することができた。今回のシートに採用される再生ポリウレタンフォームも同じくJLRを経済的にサポートし、持続可能なモビリティを推進する大きな力になるのではないだろうか。

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