サウジアラビア初の電気自動車メーカーとパートナーシップ締結
リマック・テクノロジー社は2024年11月11日、サウジアラビア初の電気自動車メーカー「Ceer」とパートナーシップを締結し、同社の次期主力EVシリーズ向けに高性能な完全統合型電気駆動システム(EDS)を供給すると発表しました。詳しい内容は後日発表されるそうですが、このパートナーシップ締結について両社のコメントを紹介します。
完全統合型電気駆動システムを供給
今回のパートナーシップの提携は、クロアチアのリマック本社でリマック・テクノロジーのマテ・リマックCEOとCeerのジェームズ・デルーカCEOによる調印式が行われ、正式に発表された。
Ceerのジェームズ・デルーカCEOは、このようにコメントしている。
「私たちはリマック・テクノロジー社と提携し、Ceerのフラッグシップモデルに最先端の高性能電動ドライブシステムとソリューションを搭載できることを大変嬉しく思います。
リマックの世界的な評価と最先端のパワートレインシステム設計におけるノウハウは、世界クラスの高性能電気自動車を提供し、サウジアラビアの自動車産業を変革するという当社のコミットメントと完全に一致しています」
リマック新工場が間もなくフル稼働
リマック・テクノロジーは2024年初め、BMWグループと長期的な協力関係を結び、同社の乗用車に高電圧バッテリーシステムを供給することを明らかにした。今回のCEERとの提携は、リマックにとってGCC諸国における最初の提携であり、電動パワートレインシステムおよびソフトウェア製品のさらなる拡大を示している。
リマック・テクノロジーのマテ・リマックCEOは、このように述べている。
「Ceerとの協力により、リマック・テクノロジー社のグローバルな電動化目標がさらに強固なものとなりました。2024年だけでも、BMWグループやCeerとの重要なパートナーシップを発表しており、これにより世界有数のOEMメーカー向けに数万台規模の電動ドライブシステムやバッテリーシステムが生産される予定です。
さらに多くのプロジェクトが進行中であり、私たちはインフラへの戦略的投資を進め、クロアチアのリマック本社工場が間もなくフル稼働する予定です」
AMWノミカタ
このニュースは、サウジアラビア初の電動自動車メーカーとなるCeerにリマック・テクノロジーの開発した完全統合型電気駆動システム(EDS)を供給するという話である。まずは石油がふんだんに採れる中東で電気自動車のメーカーが立ち上がったことに単純に驚く。まだ具体的なモデルは発表されていないが、BMWとライセンス契約した技術が共有され、30分のチャージでリヤドからダンマームまでの600kmの距離を移動できるモデルになるらしい。
Ceerのホームページを覗くと、かなり環境問題に真剣に取り組んでいるメーカーのような印象を受ける。ここにリマックの電動化テクノロジーが投入されるということだが、リマックは単体での新型モデル開発に加え、他社へのシステム供給が今後のビジネスの大きな柱とするのであろう。
先日リマックはクロアチアに総投資額3億ユーロとなる新工場をオープンさせ、今後は2500人まで収容できるようになるという。新興の自動車メーカーとしてはかなり規模が大きい投資だと感じていたが、このニュースでリマックの真の狙いがわかった気がする。