当時のRVのお約束といったアイテムを装着
外観ではフロントプロテクターと呼ばれるグリルガードに目がいくが、よく見ると「GRAVEL EXPRESS」のレタリングが入っており、それはリアのスペアタイヤカバーも同様。ほかにフロント側では丸型の大径フォグランプ(カバー付き)をはじめ、アンダースポイラー、サイドシルガード、リアスプラッシュガード、フロント&リアフェンダーガードといった、当時のRVのお約束といったアイテムを付加した出で立ちになっていた。そのほかにルーフスポイラーも装着、タイヤは205/60R15 91Hサイズで、5本スポークながらWRXとは異なる専用デザインのアルミホイールを装着している。
他方でインテリアでは、装備としてはナルディ社製の本革ステアリングホイールや本革巻きATセレクトレバーまたはマニュアルシフトノブを装着。シートに関してはWRXのようなモールドタイプのバケットではなくローバックで表皮の柄も大人しめのものが採用されていた。6:4分割可倒式リアシート、マルチトノカバーなどは標準で、ワゴンとしての機能性、使い勝手のよさは確保されていたほか、このグラベルEXはスペアタイヤをリアのキャリアにマウントすることから、ラゲッジルーム床下にスペースができ、そのことをカタログでは「大型サブトランク」と謳っている。
グラベルEXのDNAを受け継いだクルマとは
ご存知のとおりこのグラベルEXは、その後「インプレッサXV」→「XV」→「クロストレック」とそのコンセプトを進化・発展させて今に至っている。グラベルEXと現在のクロストレックとでは時代の違いによるデザインの表現手法には差があるものの、楽しげに遊ぶためのクルマという精神の部分は間違いなく受け継がれているといっていい。
なおグラベルEXの後継モデルだった、2010年6月登場のインプレッサXVは、当時のインプレッサ5ドアをベースに、専用グリルやバンパー、ホイールアーチ部のクラッディングなどで外観を専用化。エンジンには1.5Lと2Lを用意し、どちらにも2WDとAWDが設定された。さらに2012年に登場したのがXV名義の初代モデルで、こちらは現行クロストレックの先々代に当たる。最低地上高を200mmに高めつつも全高を1550mmに抑え都市部での使い勝手のよさをもたせたほか、2013年にはハイブリッドモデルも登場させた。