普段使いから趣味まで使い勝手が良い1台
編集部員それぞれの目線で気になるクルマに乗ってみてレポートするAMWリレーインプレ。第10弾はメルセデス・ベンツ「CLA 200 d シューティングブレーク」。ドイツ車とは縁のない生活を送っている32歳の筆者が試乗しました。今回も、自分では出てこないインプレッションを利用させてもらおうという、こちらの都合を明かすこともなく(すでにバレバレだろうけれど)、ゴルフ好きのKくんを巻き込んでみました。
ひと目でメルセデス・ベンツとわかる姿
いつもなら車種を伝えてから行くが、今回は何も言わずに待ち合わせ場所に向かった。するとKくんは車外からもわかるほど口をパクパクさせて何かを話している。
「えぇー! 今回はメルセデス・ベンツなの? カッコいいね。フロントまわりがすごくスポーティに仕上がっていて、キレイなデザインのステーションワゴン。なんていう車名なの?」
Kくんの対応からも分かるように、2019年に2代目へとフルモデルチェンジし、2023年秋にマイナーチェンジを受けてスタイルをさらに洗練させたメルセデス・ベンツ「CLA」は、シンプルでありながらも美しい造形が魅力的な1台だ。街なかで見かけても流麗なデザインに「おっ!」と思ってしまう力強さのあるボディデザインは、あらためて見ても惚れ惚れする。試乗車には、AMGラインパッケージ、アドバンスドパッケージ、AMGレザーエクスクルーシブパッケージ、デジタルホワイト(メタリックペイント)が装備されている。
とても興味津々なKくんに車種名を伝えつつ、さっそく彼の趣味であるゴルフのアイテムをラゲッジに積みこむ。ウィィィィィンという音とともに電動ラゲッジが開くやいなや、口数の少ないKくんが興奮気味に話す。
「荷室が広いね~! あ、開口部が低くて重いゴルフバッグでも出し入れしやすいね。1人ならラゲッジに簡単に載せられるけど、2人で行くとしたら8.5インチのキャディバッグはリアシートを倒すと解決するね」
参考までに荷室容量はといえば、VDA方式で505~1370Lを実現する。いきなりゴルファー目線でのコメントをもらいつつ目的地へ向かうことにした。
意図した通りのハンドリングに感動!
車内に乗り込みエンジンをかけるとディーゼルエンジンであることを忘れるくらい静かだ。ギアセレクターをドライブに入れ、そっとブレーキをリリースし、アクセルを踏み込む。最高出力は150ps、最大トルクは320Nmを発生する2L直4ディーゼルターボは、トランスミッションに電子制御8速ATを組み合わせ、低回転域からトルクがモリモリと発生し、スムーズに加速をしていく。
1速~2速の加速時ではわずかにガラガラとディーゼルっぽい音が聞こえる程度だが、3速以降の速度域ではガソリン車のように静かだ。途中、アクセルをグッと踏み込むと2500~3000rpmの回転域ではディーゼル音が聞こえてくるものの、それですら心地良い音色に聞こえてくる。
道中、あえてカーブの多い路地を選択し走行した。右に左に、S字のカーブは、自分のステアリング操作とサスペンションの動きがマッチし、自分の意図した通りに走れるしっとりしたフィーリングを体感することができた。
少々小っ恥ずかしい表現をするならば、まるで対話をしているようなそんなふうに感じた。助手席に乗っているKくんの体はブレることなくホールドされたまま、ロールを感じさせないどっしりとした乗り味が気持ちよく……なんてことを思いながら、目的地、打ちっぱなし練習場に到着。残念ながら私はゴルフはやらないので、友人が練習をしているその間にあらためてじっくりとクルマを眺めることにした。