ミニバンで初のCOTYイヤーカーに輝いたフリード
2024年12月5日、2024年に発売されたクルマの中からNO.1を選ぶ、「日本カー・オブ・ザ・イヤー2024-2025」にホンダ「フリード」が輝きました。走行&安全性能など現行型フリードの実力と人気の高さは納得ですが、じつは旧型フリードにも、現行モデルに負けない魅力的なモデルがあるのを知っていますか。それが「フリード モデューロX」です。今回は試乗も行い、その魅力とともに最新の中古車相場も紹介します。
新型3代目ではハイブリッドシステムを刷新
2024年12月5日、2024年に発売されたクルマの中からNO.1を選ぶ、「日本カー・オブ・ザ・イヤー 2024-2025」にホンダ「フリード」が輝いた。ホンダは2010-2011の「CR-Z」以来、14年ぶりのイヤーカー受賞となった。
栄えある日本カー・オブ・ザ・イヤー2024-2025を受賞したホンダ フリードは2024年6月に登場。内外装の異なる「エアー」/「クロスター」という2つのモデル体系を設定し、6~7人乗りの3列シート仕様を中心に、クロスターのみに5人乗り仕様を用意する。5人乗り仕様は、先代モデルの「フリード+」から継承したリア荷室の開口高が低く設定されており、高いユーティリティが特徴だ。
ボディサイズは全長4310mm×全幅1695mm(クロスターは1720mm)×全高1755mm。フリード エアーは従来どおり5ナンバーサイズだが、クロスオーバーモデルのフリード クロスターはホイールアーチプロテクターを装着したことで、全幅は1720mmとなり3ナンバーとなる。
搭載しているパワートレインは、最高出力118ps/最大トルク142Nmを発生する1.5L直列4気筒DOHC i-VTECエンジンと、最高出力106ps/最大トルク127Nmを発生する1.5Lガソリンエンジンに充電・駆動を行う2つのモーターを組み合わせた「e:HEV」と呼ばれるハイブリッドシステムの2種類。
駆動方式は2WDを中心にハイブリッド車のみ4WDを選ぶことが可能。燃費性能はWLTCモードで、ガソリン車が14.4~16.5km/L。ハイブリッド車が21.1~25.6km/Lと、ハイブリッド車の燃費性能が際立っている。
運転支援システムは、ホンダ独自の運転支援システムである「ホンダセンシング」を標準装備。衝突軽減ブレーキ(CMBS)をはじめとした15の機能でドライバーをサポート。またオプション装備として、後退車庫サポート、アダプティブドライビングビームを設定。
また、車載通信モジュール「ホンダコネクト」を搭載。これに対応するナビとオーディオをディーラーオプションで設定。ボタンひとつでオペレーターが対応する「緊急サポートセンター」をはじめ、車内Wi-Fiなど「ホンダトータルケアプレミアム」が提供するサービスを利用可能となる。
車両本体価格は、ガソリン車のエントリーグレードである、フリード エアー 2WD 6人乗りは250万8000円(消費税込/以下同)、最上級グレードのフリード クロスター 4WD 6人乗りは308万7700円。またハイブリッド車のエントリーグレードであるフリード e:HEV エアー 2WD 6人乗りは285万7800円で、最上級グレードのフリード e:HEV クロスター 4WD 6人乗りが343万7500円となっている。
2024年11月の新車販売台数もフリードは7896台で第7位。ホンダの登録車の中で最も販売台数が多く、今回の受賞によって人気、実力ともに高いコンパクトミニバンであることが証明された。
現行型フリードの実力、実力の高さは納得だが、旧型となる2代目フリードには、現行モデルに引けをとらない魅力のあるモデルが存在する。それが今回取り上げる「フリード モデューロX」だ。
ドリキンが開発に携わったモデューロX
旧型(2代目)フリード モデューロXは、ホンダの純正アクセサリーブランド、ホンダアクセスが手gけたコンプリートカーだ。ドリキンこと土屋圭市氏が開発アドバイザーとして関わっているモデューロブランドが培ってきた「上質でしなやかな走り」を実現させるために、専用開発のサスペンションや空力特性を活かしたパーツなどによるチューニングを施している。
とくにこだわっているのが、「実効空力」と呼ばれるエアロダイナミクス。フロントエアロバンパー下部に設定したエアロガイドフィンと、ディフューザー形状を工夫しったリアロアスカートを採用することで、四輪の接地バランスを最適化し、高速道路や横風の強い場所での直進安定性に効果を発揮。
さらに、サスペンションセッティングおよびアルミホイールの剛性最適化によりカーブやワインディングでの爽快なコーナリング性能を楽しむことができる。
フリード モデューロXはミニバンとしての使い勝手の良さや室内の快適性を損なうことなく、ドライバーに「意のままに操る」走りを追求した運転の楽しさを、また同乗者には上質で快適な乗り心地をそれぞれ提供するのが特徴だ。
フリード モデューロXは2017年12月にガソリン車6人乗り283万680円(消費税込/以下同)、7人乗り285万2280円、ハイブリッド車6人乗り313万920円、7人乗り315万2520円で発売された。
ベース車のマイナーチェンジに併せて、2020年5月にフリード モデューロXもマイナーチェンジを実施。実効空力デバイスであるエアロフィン、エアロスロープ、エアロボトムフィンという3つのエアロフィンを採用することで走行性能の向上を追求している。車両本体価格はガソリン車6人乗り295万200円、7人乗り297万2200円、。ハイブリッド車6人乗り325万6000円、7人乗り327万8000円と、前期モデルより約12万円アップしていた。
今回、後期型ハイブリッド車のフリード モデューロXに久しぶりに試乗したが、実効空力を実現するエアロパーツと専用チューンが施されたサスペンションが生み出すフラットな乗り味はまったく色褪せていない。同時に現行型のフリード クロスターも試乗したが、アイポイントの低さやメーターの位置などは、フリード モデューロXのほうが個人的には好みであった。
そんな高い走行性能が魅力のフリード モデューロXだが、現在中古車市場には約56台流通していて(※原稿執筆時)、価格帯は約137万8000円~約289万円。前期型と後期型のボーダーラインは240万円となっている。世代交代となるフルモデルチェンジを行っても中古車相場は高値安定傾向で、走行性能同様、フリード モデューロXの実力は色褪せていないようだ。台数が少なくなってきたので、狙っている人は早めにアクションしたい。