パワーバンドを意識した走りができそう
AE86は4A-Gエンジンを搭載しているが、後のAE92のスーパーチャージャーエンジンや101/111系の5バルブエンジンの4A-Gに載せ替えてしまう例もよくある。ただ、今回の撮影車両はAE86に搭載されていた4A-Gをそのまま使用し、かなりノーマルに近い仕様だ。
「3000rpmから上でしょうか、徐々にパワーが出てくる感じがあって、扱いやすいけどパワーが出てくる感触が分かりやすいのは、パワーバンドを意識した走りができそうです。AE86は人を育てるクルマってよく言いますけど、ノーマルなAE86に乗るとそれが分かりやすいですね」
ちなみに撮影車両のエンジンまわりの変更点はT.M.WORKS製のダイレクトイグニッションシステム、フジツボ製のマフラーとエキゾーストマニホールドといったところ。サーキット走行を考慮してオイルクーラーも装着されているが、パワーアップに関する大きなチューニングはされていないようだ。
重ステも走ってる感があっていいかも!
「重ステは駐車場とかだと大変ですけど、走っている感があっていいですね! あと想像よりステアリングにしっかり感があって、まっすぐ走ってくれる感触です!」
上級グレードであるGT-APEXがパワステを装備していたのに対し、走りのグレードであるGT-Vはノンパワステで、ステアリングギア比も低くロックtoロックは3回転とAE86の中でも最もシャープ。なので駐車や交差点は結構大変なのだ。ステアリングのしっかり感は、同日に試乗したDR30スカイラインのステアリング機構がボールナット機構&パワステの組み合わせだったのもあるだろう。AE86はラック&ピニオンと重ステの組み合わせなので、ステアリングフィールは大きく性格の違いが出たようだ。
佐々木藍咲選手のトヨタ スプリンタートレノ 〇と×
好きなポイントは?
「やっぱりリトラは魅力的なポイントです! あとリアスポイラーも好きな形ですね」
変えたいポイントはある?
「むしろノーマルに近いAE86に初めて乗ったので、足を固めたりエンジンをパワーアップしてみたり……“徐々にいろいろやって変化を楽しみたい!”って感じです」
佐々木藍咲選手とは
佐々木藍咲さんは富士スピードウェイで開催されている女性だけのモータースポーツカテゴリー「KYOJO CUP」で2023年シーズンに4輪レースデビューした、2004年生まれの若手女性レーシングドライバー。今シーズンは開幕戦で5位入賞を飾り、7月20・21日に全日本スーパーフォーミュラと併催されたRd2の予選では4位となっている。上位陣はフォーミュラでのレース経験もある強豪揃いなので、成長を感じさせるシーズンだ。また、今シーズンはGR86/BRZ Cupクラブマンシリーズにもスポット参戦。7月13日~14日に開催された富士ラウンドでは初参戦ながら予選44位、決勝37位で無事に完走するとともに、ルーキー賞を受賞した。12月22日に行われるKYOJO CUP最終戦での走りも注目だ。
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