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20歳女子、トヨタAE86「スプリンタートレノ」に乗ってみた!「大森の3連メーターは母のレビンと同じかも……」【令和女子旧車に乗る】

「やっぱり外装はリトラが目を引くポイントですね! 母のレビンにもないポイントです」

母は現役レビン乗り! 慣れ親しんだAE86でもキャラは違う?

旧車好きな20歳の女性レーシングドライバー佐々木藍咲(ささき らみ)選手に、さまざまな旧車に試乗してもらって今どきの若者目線の素直なインプレをお届けする企画。今回は、山梨県富士河口湖町の「T.M.WORKS」の協力のもと、1984年式のトヨタAE86型「スプリンタートレノ GT-V」に乗ってみました。

ライトチューンのAE86 スプリンタートレノに試乗

2004年生まれの佐々木藍咲さんは、2023年に女性だけのモータースポーツカテゴリー「KYOJO CUP」でレースデビューした女性ドライバー。プライベートでも大のクルマ好きである佐々木さんが、とくに好きなのが旧車とのこと。旧車ショップのツーリングへの参加や、KYOJO CUPのパドックエリアで開催されているイベントのひとつである旧車同乗試乗会にコッソリ(?)参加したりしているほどだ。

今回は「T.M.WORKS」の代表である轟さんのマイカーで同社のダイレクトイグニッションシステムを装着した、1984年式トヨタAE86型「スプリンタートレノ」に試乗させてもらった。

兄弟車であるカローラレビンも含め、AE86はチューニングされハードに走り込んだ個体も多いが、この個体は比較的ライトな仕様で内外装の状態も良い。車高も大幅には下げておらず、エンジンルームを見ればエアクリーナーボックスさえもノーマルだ。ここまでライトチューンで残っているAE86も珍しいかもしれない。

やっぱりリトラは好きなポイント

じつはお母様が現在もAE86のカローラレビンに乗っているという佐々木さん。いろいろと共通点を発見するのが楽しそうな様子だった。

「あ! これ母のクルマと同じデザインの鍵です! あとこのアンテナってグレードごとに違いましたよね?」

いきなりマニアックなツッコミポイントが出た佐々木さんだが、撮影車両は1984年式のGT-V。最上級グレードとなるGT-APEXとスペックや走行性能に関する装備に違いはないが、快適性に関する装備が簡素になっており、「走りのグレード」と言われることもある。

「やっぱり外装はリトラが目を引くポイントですね! 今のクルマでは見ることができない機構だし、母のレビンにもないポイントです。あと、ハッチバックのAE86に多いイメージですが、この形状のリアスポイラー好きです!」

3連メーターは母のレビンと同じかも……

この企画を通していろいろな旧車を間近で見てきた佐々木さんだが、リトラに興味深々なのは一貫して変わらない様子だ。実際に室内に入ってみると、お母様のレビンと共通する部分を多く発見していた。

「内装の状態が良くてビックリです! 母のレビンより全然キレイ! あと定番と言いますかナルディのステアリングは内装にしっくり来ている感じがあっていいですね。それとこのメーターは母のレビンと同じかも……」

佐々木さんが注目したのは大森メーター製作所の3連メーター(水温、油温、油圧)。当時のクルマには定番の大森メーターであったが、現在は会社がないので当時感を大切にするマニアにとっては貴重なアイテムになりつつある。

パワーバンドを意識した走りができそう

AE86は4A-Gエンジンを搭載しているが、後のAE92のスーパーチャージャーエンジンや101/111系の5バルブエンジンの4A-Gに載せ替えてしまう例もよくある。ただ、今回の撮影車両はAE86に搭載されていた4A-Gをそのまま使用し、かなりノーマルに近い仕様だ。

「3000rpmから上でしょうか、徐々にパワーが出てくる感じがあって、扱いやすいけどパワーが出てくる感触が分かりやすいのは、パワーバンドを意識した走りができそうです。AE86は人を育てるクルマってよく言いますけど、ノーマルなAE86に乗るとそれが分かりやすいですね」

ちなみに撮影車両のエンジンまわりの変更点はT.M.WORKS製のダイレクトイグニッションシステム、フジツボ製のマフラーとエキゾーストマニホールドといったところ。サーキット走行を考慮してオイルクーラーも装着されているが、パワーアップに関する大きなチューニングはされていないようだ。

重ステも走ってる感があっていいかも!

「重ステは駐車場とかだと大変ですけど、走っている感があっていいですね! あと想像よりステアリングにしっかり感があって、まっすぐ走ってくれる感触です!」

上級グレードであるGT-APEXがパワステを装備していたのに対し、走りのグレードであるGT-Vはノンパワステで、ステアリングギア比も低くロックtoロックは3回転とAE86の中でも最もシャープ。なので駐車や交差点は結構大変なのだ。ステアリングのしっかり感は、同日に試乗したDR30スカイラインのステアリング機構がボールナット機構&パワステの組み合わせだったのもあるだろう。AE86はラック&ピニオンと重ステの組み合わせなので、ステアリングフィールは大きく性格の違いが出たようだ。

佐々木藍咲選手のトヨタ スプリンタートレノ 〇と×

好きなポイントは?

「やっぱりリトラは魅力的なポイントです! あとリアスポイラーも好きな形ですね」

変えたいポイントはある?

「むしろノーマルに近いAE86に初めて乗ったので、足を固めたりエンジンをパワーアップしてみたり……“徐々にいろいろやって変化を楽しみたい!”って感じです」

佐々木藍咲選手とは

佐々木藍咲さんは富士スピードウェイで開催されている女性だけのモータースポーツカテゴリー「KYOJO CUP」で2023年シーズンに4輪レースデビューした、2004年生まれの若手女性レーシングドライバー。今シーズンは開幕戦で5位入賞を飾り、7月20・21日に全日本スーパーフォーミュラと併催されたRd2の予選では4位となっている。上位陣はフォーミュラでのレース経験もある強豪揃いなので、成長を感じさせるシーズンだ。また、今シーズンはGR86/BRZ Cupクラブマンシリーズにもスポット参戦。7月13日~14日に開催された富士ラウンドでは初参戦ながら予選44位、決勝37位で無事に完走するとともに、ルーキー賞を受賞した。12月22日に行われるKYOJO CUP最終戦での走りも注目だ。

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