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なぜ燃料電池車にトヨタはセダン、ホンダはSUVを選んだ? 公用車はセダンが推奨されていることと関係が…!?【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)/AMW/TOYOTA

官公庁をメインに普及を急ぐトヨタ

公用車や役員車は、専属の運転手が管理していることもあり、さらに運行ルートが定められています。あらかじめ航続距離の計算が立ちますから、水素ステーション難民になる可能性は低いと言えますね。

しかも、官公庁には不思議な条件があります。「納入する公用車はセダンを推奨する」と明文化されているのです。ボディカラーにも指定があるようです。いまでは民間企業の役員やセレブはこぞってミニバンに乗るようにはなっていますが、官公庁はいまだに旧態依然の風習にとらわれているのですね。

役所をディスるのはここで留めておきますが、そんな理由もあり、官公庁をメインに普及を急ぐトヨタは、セダンでの開発をスタートさせたのです。そうでなければ、セダンにしたことの整合性が理解できません。燃料電池車には巨大な水素タンクが必要です。車内スペースを侵食します。それが証拠にミライは、ショーファードリブンであるにも関わらず、後席は驚くほど狭くなっています。役員や大臣のための公用車としては資質を欠きますね。だったらスペース効率の高いSUVが理想のような気がしますが、それでもセダンにこだわったことから、目的が官公庁にあることを想像するわけです。

ホンダの普及の糸口は一般家庭に向けられる

その点でホンダのCR-V e:FCEVは、ベースがアメリカで爆発的にヒットしているCR-Vですから、燃料タンクやバッテリーや、あるいはモーターを搭載するスペースに余裕があります。理にかなっています。官公庁の「セダンに限る」に抵触しますから、普及の糸口は一般家庭に向けられる。ただし、それでは水素ステーション不足の問題がたちはだかる。なので、電力補給が可能なプラグインとしたのです。

逆に言えばトヨタは、官公庁狙いだからプラグインの必要はないのかもしれません。というように、ホンダとトヨタは、燃料電池車普及のアプローチが異なるのです。じつに興味深いですね。

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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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