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懐かしの1970年代ポップカルチャーの象徴! 元祖「デューンバギー」が約568万円で落札…オリジナルを保ったメイヤーズ「マンクス」でした

懐かしの1970年代ポップカルチャーの象徴! 元祖「デューンバギー」が約568万円で落札…オリジナルを保ったメイヤーズ「マンクス」でした

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: Bonhams

サーフボードは別売り? 約570万円で落札

メイヤーズ マンクスを購入・製作したレーサーたちは当時のデザート(砂丘)レースを席巻し、当初から記録を塗り替えてゆく。また、メイヤーズの退社に伴う税金問題で会社が消滅するまでは、ストリート向けモデルのひな型ともなっていた。

ところが、メイヤーズ マンクスのコピー商品が粗製乱造されたこと、さらにデューンバギーのブームは長く続かなかったこともあり、メイヤーズ・マンクス社は1971年にいったん歴史から姿を消してしまう。

しかし、オリジナルのマンクス・バギーにインスパイアされた新しい車両は、ブルース・メイヤーズが自ら再建した新生「メイヤーズ・マンクス」社によって2000年から生産されている。最新の製品は「メイヤーズ・マンクス 2.0 エレクトリック」と命名され、その名のとおりBEVとなっている。

いっぽうこの2024年9月、ボナムズ社の「Goodwood Revival Collectors’ Motor Cars and Automobilia 2024」オークションに出品されたこの車両は、いわゆる「当時モノ」のメイヤーズ マンクス デューンバギーと思われる。

実際、この車両は当時のオリジナルにきわめて忠実で、少なくとも描き込まれたブルース・メイヤーズのサインは本物と判定されている。

イギリスでの評価はイマイチ……?

今回のオークション出品車は、1966年式のVWビートル1300をベースにしており、車両登録上もそのように記載されている。最近でも整備され元気に走行しているこの象徴的な「アメリカのクルマ」は、英国内の登録履歴を記した「V5C」ドキュメントとともに提供される。

ボナムズ社は「残念ながら、サーフボードはついてきません」というジョークめいたPRフレーズとともに、3万ポンド〜4万ポンド(邦貨換算約570万円〜760万円)というエスティメート(推定落札価格)を設定していた。

そして「グッドウッド・リバイバル」の1週間前、9月7日にグッドウッド・サーキット内で行われた競売では、オークショネア側に支払うプレミアム手数料を合わせてもエスティメート下限にほんの少しだけ及ばない2万9900ポンド。最新のレートで日本円に換算すれば、約568万円で落札されることになった。

ここ数年のアメリカでは、当時モノのメイヤーズ マンクスに4~5万ドルのプライスが付けられることが多いようだが、為替レートの違いを加味して考えても、やはり英国ではデューンバギーの本場アメリカほどの価格には至らないとみるべきなのかもしれない。

また蛇足ながら、2020年3月に同じボナムズ社が開催した「Amelia Island」オークションでは、『華麗なる賭け』で実際にスティーヴ・マックイーンとフェイ・ダナウェイが乗ったクルマそのものである、スペシャルメイドのメイヤーズ・マンクスが出品され、なんと45万6000ドル。当時のレートで換算すると、約5000万円でハンマーが鳴らされたことを記しておきたい。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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