アン王女がロールス・ロイスの本拠地を初公式訪問
2024年12月6日、ロールス・ロイス・モーターカーズは英国アン王女(プリンセス・ロイヤル殿下)がグッドウッドにあるロールス・ロイスの本拠地を初めて公式訪問し、グローバル・センター・オブ・ラグジュアリー・マニュファクチャリング・エクセレンスを視察したと発表しました。この記念すべき訪問の内容について見てみましょう。
「世界最高のクルマ」をつくる工場の舞台裏を見学
ロールス・ロイス・モーターカーズは、グッドウッドにあるロールス・ロイスのホームでロールス・ロイス創業120周年記念行事の一環として、アン王女が初めての公式訪問を行ったと発表した。
アン王女は、ウェスト・サセックス州副州宰相のリチャード・クラインウォート伯爵、大保安官のフィリッパ・ゴガティ夫人、ウェスト・サセックス郡議会議長のピーター・モンティン議員、チチェスター地区議会議長のクレア・アペル議員、チチェスター選出の国会議員ジェス・ブラウン=フラー氏らと訪問した。
同社のクリス・ブラウンリッジCEOはアン王女に各取締役を含む取締役会のメンバーを紹介した後、工場見学に案内した。ツアーでは主要な舞台裏を見学し、アン王女は各訪問先でマネージャー、従業員、実習生に会い、素材、工程、クラフト・スキルが「世界最高のクルマ」としてどのように貢献しているか説明を受けた。
ロールス・ロイスは1万人以上の雇用を支えている
続いて、クリス・ブラウンリッジCEOとマニュファクチャリング・ディレクターがアン王女に、現在進行中の敷地拡張プロジェクトについて説明した。このプロジェクトは、ロールス・ロイスの長期的な持続可能性と繁栄にとって極めて重要である。グッドウッドにあるホーム・オブ・ロールス・ロイスでは2500人以上が働いており、同社は幅広いサプライチェーンで7500人以上の雇用を支えている。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの2023年の調査によると、ロールス・ロイスは毎年5億ポンド(約975億)以上を英国経済に貢献しており、その5分の1は地元チチェスターとウェスト・サセックスで生み出されている。
ロースル・ロイスの関係者が見守る中、アン王女は訪問を記念する銘板の除幕式を行い、訪問者名簿にサインをした。
AMWノミカタ
今回のアン王女の訪問はロールス・ロイス創立120周年記念行事の一環として招いたもので、2003年のグッドウッド開設以降初めての訪問となる。これはロールス・ロイス・モーターカーズが何十年もの間、王室と良い関係を継続してきたことの証であろう。
アン王女は「Her Royal Highness The Princess Royal」という肩書を持つ。王室の家系図は日本人にはあまり馴染みがないが、2022年にお亡くなりになられたエリザベス2世女王陛下の長女にあたり、現在のチャールズ国王はアン王女の兄となる。
イギリス王室でロールス・ロイスが御料車として使われるようになったのは、1950年の「ファントム IV」からである。これはエリザベス2世女王陛下が注文したクルマであったが、ロールス・ロイスの定番「スピリット・オブ・エクスタシー」に代わって、イングランド王国の紋章でもある「聖ゲオルギウス(セント・ジョージ)」のマスコットがグリルの上に装備されたという。
近年はベントレーのステートリムジンが御料車として使われていたが、納車されてから20年以上がすでに経過した。今回のご訪問がきっかけでロールス・ロイスと王室の新たな関係が始まるようにも感じる。