タイヤ無交換勢に囲まれる中、88号車はフレッシュタイヤで挑む
88号車JLOCは元嶋佑弥のドライブで首位を快走。一方でタイトル獲得のためには優勝が絶対条件である2号車mutaは、2番手を走る61号車SUBARUに行く手を阻まれる形となっていたため、2号車の平良響は背後で再三に渡ってチャンスをうかがっていた。そして平良は17周目に61号車を攻略すると、先頭を追った。
ポイントリーダーの65号車LEONは15周を走って真っ先にピットに入ってきた。ピットボックスにはタイヤが用意されていたが交換せず。ブリヂストン勢が得意とするタイヤ無交換作戦で作業時間、アウトラップでマージンを稼ぐ作戦に出た。
2号車mutaがレース折り返しを過ぎるまでピットストップを引っ張る中、ルーティンストップ消化組の首位はこちらもタイヤ無交換の31号車apr LC500h GT。次いでリア2輪交換の88号車JLOCで、その5秒ほど後方には65号車LEONが迫っていた。そして2号車mutaは25周でピットインして平良から堤 優威にドライバー交代したが、当然のようにタイヤ交換はなし。31号車の前、つまりトップでコースに復帰することができた。
タイヤ無交換勢に囲まれる中、フレッシュなリアタイヤを履く88号車JLOCは、小暮卓史のドライブで猛チャージを開始。上位陣では最も速いペースで周回を重ねると、 34周目には31号車aprを交わして2番手に浮上。ペースが落ち始めた首位2号車mutaとの差をぐんぐん縮めていった。
決着の時は残り10周で訪れた。最終コーナーでリアが流れた2号車を小暮がロックオン。ホームストレートで先頭に立ち、タイトル獲得に向けても大きく視界がひらけた。
小暮はそのままトップでチェッカー。65号車LEONも追い上げを見せていたものの、結局2号車muta、31号車aprに次ぐ4位に終わり、88号車の小暮/元嶋組が大逆転でのシリーズチャンピオンとなった。8戦4勝、3連勝でシーズンを締め括り、JLOCとしても初のタイトル獲得と、歴史的な1年となった。