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802台しか生産されなかったロールス・ロイスが400万円ほどで落札!「シルバー スパー」は希少性が独自の価値を生み出している? 今後値上がり必至!?

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

エンジンは6.75リッターV8ターボを搭載

実際に、シルバー スパーIIIから、最終型のシルバー スパーへの進化で行われたアップデートは、さほど大規模なものではない。サイドの三角窓が廃止され、ドアミラーの取り付け位置もAピラーの付け根に移動。前後バンパーはカラード化され、さらにロールス・ロイスの象徴ともいえるフライングレディのマスコットとフロントグリルは、いずれもそのサイズが20%、2インチ縮小されている。

前後に装着される16インチ径のホイールも、そのデザインが一新され、フロントバンパーはカラード化されたほか、新たにエアダムが装備されるようになった。300ps仕様の6.75L V型8気筒ターボチャージド・エンジンを搭載し、最高速では235km/hと運行性能を向上させたシルバー スパーには、これらのアップデートは必要にして不可欠なものといえたのかもしれない。

この1988年式シルバー スパーは、シルバーパールのボディカラーにサンドストーンのファインライン(ピンストライプ)を施して工場から出荷されたモデル。インテリアはサンドストーンレザーでトリミングされ、サハラの羊毛、ラグとパールウッドおよびソフトレザーのアクセントが施されている。

左ハンドル仕様であることからも想像できるように、このモデルはアメリカ仕様として生産されており、ファースト・オーナーにはカリフォルニア州ラホーヤに本社を置く著名な高級車ディーラー、シンボリック・モーター・カー社を通じて販売された記録が残っている。

現在の走行距離は約7万9334キロ

その後コロラド、ニュージャージー、そして2015年に改めてコロラドに在住するオーナーの手に渡った後、新しいラジエターやエアコンベルト、エアポンプベルト、オルタネーターベルト、ツインドライブベルトの交換などを含む整備が行われ、現在の走行距離、4万9584マイル(約7万9334km)を刻むに至っている。

このオークションに、主催者のRMサザビーズは、1万5000ドル~2万ドル(邦貨換算約223万円~297万円)のエスティメート(予想落札価格)を最低落札価格なしの条件で掲げたが、ハンマーが振り下ろされたのは、そのレンジを超える2万7500ドル(邦貨換算約409万円)という数字にまで入札が進んだ時だった。同社の調べによれば、この最終型のシルバー レイスの生産台数はわずかに802台。すでに希少性という意味でも、それは独自の価値を生み出しているようだ。

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