グループA参戦ホモロゲーションモデルの75ターボ エヴォルツィオーネ
2024年11月24日に神奈川県の大磯ロングビーチで開催された「71回 SHCC(湘南ヒストリックカークラブ)大磯ミーティング」。今回は「ジュリエッタ70周年」と「アルフェッタGT50周年」のイベントが併催され、往年のアルファ ロメオが数多く集まりました。そんな会場から、わずか500台のみ生産された「75ターボ エヴォルツィオーネ」を発見。オーナーに話を伺いました。
よりレーシーにモディファイ
アルファ ロメオ75周年の1985年に誕生した「75」をベースに、グループAのホモロゲーションモデルとして生産された「75ターボ エヴォルツィオーネ」は1987年に発売。ブリスターフェンダーで武装されたボディに、レギュレーションにあるターボ係数を加算して2.5L以下の規定に収まるよう1.8Lのターボエンジンが収まる。わずか500台しか作られていない75ターボ エヴォルツィオーネだが、よりレーシングカーさながらのモディファイを施しているのが、神戸市から参加していた池田さんの愛車だ。
「グループA仕様に近づけたくて、サイドマフラーが合法化したときはすぐにサイドシルを貫通させました(笑)。インタークーラーは、エンジンルームの真ん中で上を向いてるのはおかしいと思っていました。鈴鹿を走った際に、空気が冷たいときのエンジンの回り方とパワーの出方が明らかに違うことを認識したので、移設したんですよ」
外観だけをレーシングカー風に仕立てているのではなく、インタークーラーを移設するなど、グループA同様のモディファイが施されているのだ。
「最後の後輪駆動のアルファ ロメオということで、伝統のツインカムエンジン、トランクアクスル、ド・ディオン アクスル、インボードブレーキといったスペックに惹かれて、最初は1992年に75 TS(ツインスパーク)を購入しました」
いつか欲しいと願い、18年前に入手
以前は車高を落としたモータースポーツ仕様のVW「ゴルフ2」に乗っていた池田さん。75ターボ エヴォルツィオーネの一度見たら忘れられない、癖になる独特のボディデザインやドライビングフィールなど、その魅力にハマってしまったと話す。
「もともとツーリングカーレースが大好きでしたから、75 TSのカタログにうっすらと映っていた75のグループA車両に惹かれました。1993年に知人のワークスラインの入った75 エヴォを見せてもらってからは、いつか手に入れたいと思うようになりました」
その後、念願だった75ターボ エヴォルツィオーネを18年前に手に入れてからは、サーキットをメインに走りながら徐々にグループA車両に近づけるモディファイを施す。
「ちなみに私は、イタリアスーパーツーリズモで75 エヴォを駆っていたニコラ・ラリーニと生まれ年も誕生日も同じで、一方的に運命的なものを感じています(笑)」
バンカ ディ スズカやチャオイタリアなどのレースでもクラス優勝や上位入賞するなどの好成績も、きっとラリーニのご利益なのだろう。
特別枠でジムカーナ競技にチャレンジ
「SHCC大磯ミーティングのジムカーナ競技は通常は年式的に出場できませんが、今回はアルファ ロメオの2モデルのアニバーサリーということで特別枠を作っていただいたおかげで、走行することができました。
憧れのイベントを楽しませていただき、仲間たちとも本当に楽しい時間を過ごさせてもらいました。先輩方が真剣に取り組まれている姿に感激し、私もまだまだ頑張るぞ! という気持ちになりました」
今回は一番時計ながらハンデにより優勝は逃した池田さんだが、普段のサーキット走行でも順位はあまり気にせず、上手くドライビングできること、タイムアップすることをつねに目標とし、愛車との対話を続けているそうだ。
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