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「マルニ」ことBMW「2002」が600万円弱で落札! 人気の丸テールにヨーロッパ仕様のディテールがおしゃれなノイエクラッセを紹介します

「マルニ」ことBMW「2002」が600万円弱で落札! 人気の丸テールにヨーロッパ仕様のディテールがおしゃれなノイエクラッセを紹介します

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

ヨーロッパ仕様のディテールを持つ洒脱な1台

2024年10月初旬、「Hershey 2024」オークションに出品されたBMW 2002tiは、シャシーナンバー「1687077」。詳しいヒストリーについてはとくに記されてはいないが、2017年にポーランドから入手されたこと、ならびに翌年に米国に輸入されたことは判明しているとのことである。

日本では「丸テール」と呼ばれる丸型テールランプと、ダイキャストのラジエターグリルを持ついっぽうで、このあとの世代の北米仕様のような巨大な5マイルバンパーもない。また、ベージュのボディカラーに、同じくベージュのファブリック+タンのビニールによるコンビ内装が組み合わされるという、魅力的なカラーコンビネーションが映えた、じつに素敵な個体と感じられる。

そのかたわら、ロナール社製と思われるアロイホイールや2002tii用の樹脂製サイドモールが追加されるなど、外装にはノンオリジナルな点も見受けられながらも、いずれも雰囲気を損なうようなものでなく、1970年代前半の時代感を巧みに反映した魅力的な1台といえよう。

「リザーヴなし」で出品

アメリカ上陸直後の2018年、この2002tiは機械的な改修を受け、燃料系やサスペンション、ブレーキシステムなどとともに、クラッチにも徹底的なリビルドが施された。これらの作業のあとに発行された請求書は、出品にあたって添付されたドキュメントファイルに保管されている。

このBMW 2002tiについて、RMサザビーズ北米本社は「よく整備され、見栄えも良いこの快活なクーペは、ツーリングやショーに最適だろう」という宣伝文句とともに、3万ドル~4万ドル(当時のレートで約444万円〜592万円)という、強気のエスティメート(推定落札価格)を設定。また、この出品ロットについては「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」で行うこととした。

この「リザーヴなし」という出品スタイルは、たとえ出品者の意にそぐわない安値であっても落札されてしまう危険なリスクもあるいっぽうで、確実に落札されることから会場の購買意欲が盛り上がり、エスティメートを超える勢いでビッド(入札)が進むこともあるのがメリット。

そしてこの日のオークションでは、エスティメート上限突破とまでは行かないものの、出品側も落札者もともに満足できるであろう3万8500ドル。つまり、日本円に換算すれば約580万円で競売人の掌中のハンマーが鳴らされることになった。

かつては200~300万円でコンディションの良い個体に十分手の届く相場感のあったBMW 2002だが、ターボを筆頭とする高性能バージョンが牽引するかたちで大幅な価格高騰が発生してしまった。

今回の落札価格も、そんなマーケットの動静を反映したものといえるだろう。

>>BMWの専門誌「BMW LIFE2」はこちら(外部サイト)

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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