日が落ちると真っ暗……本当に着くのか?
恐れていた日没がやってきた。分かりきっていたことだが、日が落ちると真っ暗だ。視界は極端に狭くなり、ハイウェイは路肩とセンターラインしか見えない。対向車のヘッドライトが遠くに見えると、アッパービームを下げるが、するとさらに視界が狭くなる。こんな時間に走っているのは、ぼくと長距離トラックだけだ。闇の中でトラックとすれ違うのは、けっこう怖い。
夜の運転ではカンガルーとの衝突も多いと聞く。万が一、動物が現れたときに慌てない心の準備も必要だ。リアにキャンパーを積んでいるためバックミラーは視界ゼロ。サイ
我慢の運転を続け、疲労困憊。ほうほうの体でハイウェイを降りたときには7時半を回っていた。Airbnbのホストからは、「8時になるとレセプションが閉まります」というメッセージを前日に受けていた。Airbnbのメッセージは自動翻訳されて送られてくるので、意味がよく分からないことがある。レセプションとは、いったい何だろう?
さらに市内をしばらく走り、「レセプション」に着いたのは、8時3分前だった。そこで分かった。なんと、ぼくが借りたのはリゾートのロッジだったのだ。
今日こそレストランで食事をしたいと思っていたが、もう出かける気にはならなかった。「アポロ号」の冷蔵庫に食材も残っていなかったが、テント泊をするかもしれないと思い、お湯を入れて作る雑炊を持ってきていた。雑炊と最後のビールで夕食を済ませ、清潔なベッドに倒れ込んだ。
■「豪州釣りキャンの旅」連載記事一覧はこちら