仲間たちとカフェレーサー仕様に仕上げたジュリエッタ スプリント
2024年11月24日に神奈川県の大磯ロングビーチで開催された「71回 SHCC(湘南ヒストリックカークラブ)大磯ミーティング」。今回は「ジュリエッタ70周年」と「アルフェッタGT50周年」のイベントが併催され、往年のアルファ ロメオが数多く集まりました。そんな会場から、1956年式のアルファ ロメオ「ジュリエッタ スプリント」に乗る原田健司さんに話を伺いました。
モータースポーツ好きにはたまらない愛車遍歴
「このアルファ ロメオ ジュリエッタ スプリントはドンガラの状態だったものを譲り受けて、仲間たちと仕上げたクルマなんですよ」
と話すのは、1956年式のアルファ ロメオ「ジュリエッタ スプリント」に乗る原田健司さんだ。学生時代は地元である群馬県の赤城山や榛名山といった峠道を走り、その後の約20年はJAF公認のスラローム2種(ダートトライアル)の関東地区戦をメインに全日本にもスポット参戦していたという。
所有した愛車は、学生時代の日産B110型「サニー」からはじまり、ほかの型のサニーから810型「ブルーバード」。そして最初の競技車両は名門キャロッセで製作したマツダBFMR型「ファミリア GTAe」、トヨタEP82型「スターレット」、三菱CJ4A型「ミラージュ RS」、スバルGDB-C型「インプレッサ」に至る。モータースポーツを知る人なら、思わずにんまりするラインナップだろう。
33年間ドンガラ状態で眠っていた個体を購入
原田さんは競技を引退後、つい5年ほど前までは仲間たちとサーキット走行やジムカーナなどをホンダDC2型「インテグラ」やAP1型「S2000」で遊んでいたそうだが、地元のカークラブやジャック・ヒストリック・カー・クラブ(JHCC)に引き込まれて、アルファ ロメオ「1600GTジュニア」に乗りはじめた。
その後、2019年に縁あって現在の愛車であるジュリエッタ スプリントを手に入れるのだが、入手時の状態は前オーナーがレーシングカーにするため、パーツをすべて取り外した状態で33年間寝かされていたクルマだったという。
「すでにインパネもカットされていて、ロールケージが入るなどのモディファイがしてありました。これをまた鈑金するのも大変という理由もあり、カフェレーサー仕様に仕上げたのです」
塗装は現在の色に仕上げられ、車内には6点式のロールケージが入れられていたものの、ブレーキラインもすべて取り払われており、とりあえず転がるように足まわりだけが付いていた状態だった。
「ダートトライアルなど土系モータースポーツは基本的に自分でメンテナンスやセットアップをするので、競技時代から工具やメカニズムには親しんでいました。なので、バラバラでもなんとかなるだろうという気持ちでしたね」