専用アイテムを使用すると汚れを防ぐことができる
AMWではこれまで、年末のクルマの大掃除としてウインドウ、シートのクリーニング方法を紹介してきました。今回は、わが家のように愛犬を乗せているクルマの車内クリーニング術を、モータージャーナリスト&ドッグライフプロデューサー、そして洗車&車内クリーニングのプロでもある青山尚暉氏が伝授します。
クルマの車内のクリーニングの基本は「換気」に尽きる
愛犬を乗せているクルマの車内は、抜け毛による汚れ(抜け毛が多いダブルコートの犬の場合)、ヨダレ、足の裏から車内に持ち込まれた泥汚れ、そしてなんといっても車内に漂う動物臭が、犬を乗せていないクルマとの違いになる。
とくに抜け毛はドアの開閉、ウインドウの開け閉めによって車内の至る所に飛散。いわゆる吹き溜まり状態になり、それが車内の動物臭の原因になる。
愛犬を日ごろから乗せているクルマの車内のクリーニングの基本は、換気に尽きる。冬晴れの日にすべてのドア、ウインドウを開け(バックドアも)、半日は風を通す。それだけでも、車内に漂う動物臭が薄まるはずだ。例えば、朝イチから換気を行い、午後に実際の車内クリーニングに取り掛かるという作業工程だ。もちろん、換気中は別のことができる。
強力な家庭用掃除機を使うと効率的
換気が済んだら、まずは車内の掃除機掛け。シガーソケットから電源が取れるハンディ掃除機でもいいが、できればプロがそうしているように、強力な家庭用掃除機を使うと効率的だ。掃除機掛けの部位はシート、ラゲッジルーム、フロアの順に行う。シートとフロアだけでなく、ラゲッジルームまで掃除機掛けする理由は、ラゲッジルームに愛犬を乗せていなくても、ペットカートや愛犬用品をラゲッジルームに乗せていれば、そこにも抜け毛などが付いている可能性があるからだ。とにかく抜け毛に関しては、車内の動物臭の原因になるため、抜け毛が潜んでいるはずのシートの合わせ目、隙間なども徹底して掃除機掛けしたい。
とはいえ、シートとサイドシルの隙間に落ちた抜け毛を吸い取るには、一般的な家庭用掃除機のノズルでは太すぎて難しい場合もある。実際、わが家のクルマもそうだ。そこでわが家がシートとサイドシルの狭い隙間に落ちた抜け毛を除去している方法その1が、クラフトテープを隙間に入れて、ペタペタと抜け毛を貼りつけて取るテクニック。クラフトテープを車内に常備しておくと、日ごろから、気づいた時にシートやフロアに落ちた抜け毛を取るのにも有効だ。
シートとサイドシルの狭い隙間に落ちた抜け毛を除去している方法その2は、わが家愛用のセイワのIMP301「ハンディマルチブロー&掃除機」の使用だ。空気で吹き飛ばすブローと掃除機を兼ねた車内外用のアイテムで、その掃除機機能を使い、付属の7つのノズルの細いものを使えば、シートとサイドシルの隙間に落ちた抜け毛などもスイスイ吸い取れるのだ。もちろん、ブロー機能を使えば、ホコリなどを吹き飛ばしてくれるわが家愛用の二刀流クリーナーである。
ファブリックシートの後席に愛犬を乗せているのなら(愛犬の特等席は飼い主とのアイコンタクトが容易でエアコンの風もしっかり届く後席。お互い安心、快適にドライブが楽しめる)、シートに汚れ、ニオイが付着しているはず。さすがにそこまでは掃除機だけでは落とせないため、ファブリックシート専用のムース状クリーナーを使うといい。白い泡状のクリーナーをシートにかけ、汚れが浮きあがってくるのを待って、水で絞ったタオルで拭き上げる。シートの汚れがひどい場合は泡が茶色くなっているかもしれない……。ファブリックシート専用の泡状クリーナーでも除菌成分が含まれているものなら、速乾性、除菌効果とともに、車内に清潔感あるニオイが漂い、クリーニング効果抜群と言っていい(この段階でもドア、ウインドウは開けておく)。
汚れがひどい場合は、ファブリックシート専用のムース状クリーナーをかけつつ、ソフトブラシを使って、シートファブリックを優しくブラッシングするといいだろう。