車種が少ない中、キューブ復活の声は多い
このようなコアな日産ファンたちに現在日産が苦戦している理由を聞いてみると、約50%の人が「車種ラインアップの少なさ」を挙げた。次いで、約18%の人が「BEVに投資しすぎ」、約15%が「経営陣の判断」、約8%の人が「ユーザーを大切にしない」、そして約9%が「その他」という答えになった。
半数の人が挙げた車種ラインアップの少なさということでは、コンパクトカーが「ノート/ノート オーラ」しか選択肢がなく、とくに「キューブ」の復活を望む声が多かった。またトヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」のようなコンパクトサイズのミニバンがないのは厳しい。キューブベースのコンパクトミニバンの登場を望む声は多い。
セダンも「スカイライン」しか選択肢がないし、「GT-R」もすでに生産終了が決定しており、国内市場で販売される車種ラインアップが減少の一途をたどっていることも懸念する声が多い。
また、日産は「アリア」、「リーフ」、「サクラ」と国内メーカーの中では充実したBEVラインアップを誇るパイオニアとなっている。しかしコアなユーザーからはこのBEV戦略自体が時期尚早だったように映り、この戦略の失敗が車種ラインアップのモデルライフ延長や車種ラインアップの減少に繋がったように見えるのだろう。
そして一部のユーザーからは、「日本市場を軽視している」、「リコールの対応が悪い」、「メーカーと販売店(ディーラー)の連携ができていない」という意見があった。こういった意見をまとめると、日産車のコアユーザーからは、日産は日本のユーザー/市場を軽視していて市場にマッチした商品を揃えていない。そしてスカイラインといった強いブランドもあるのに生かし切れていないということになるだろう。
トヨタはモリゾウこと豊田章男会長が、「もっといいクルマを作ろうよ」を合い言葉に、各マーケットをリサーチして、ユーザーが欲しいと思うクルマを提供しているからこそ、新車の納期が長くなっても支持されているのだと言える。
まず日産の経営陣は、経営の立て直しはもちろんだが、もっと自社のクルマを所有するオーナーの意見に耳を傾けて、ニーズに合った商品を1日も早くリリースしてもらいたいと思う。