ウラカン LP610-4(2014/2017)
2014年、ランボルギーニはイタリア国家警察に「ウラカン LP610-4」を納車し、2017年には2台目のモデルが納車された。この車両は、610psを発生する自然吸気5.2L V10エンジンを搭載し、直噴と間接噴射を備え、0-100km/h加速は3.2秒、最高速度は325km/hに達する。
この協力関係のために特別に設計されたウラカンは、全輪駆動とアルミニウムとカーボンファイバー製のシャシーを備え、高速走行時でも安定性を確保する。エアロダイナミクスに最適化されたルーフに取り付けられたビーコンなど、細部に至るまで最高のパフォーマンスを発揮できるように設計されている。ウルトラ・フラットライトの下には視認性を高める青色LEDが、アルミニウム製ケーシングのフロント、リア、サイドには白色LEDが装備されている。
2023年2月、国家的な交流プログラムの一環として、エミリア=ロマーニャ交通警察に配属されたランボルギーニ ウラカンは、重要な臓器搬送に使用された。ラクイラのサン・サルヴァトーレ病院から回収された腎臓はトリノのル・モリネット病院に搬送され、この重要な臓器がタイムリーに届けられたことで、57歳の女性の命が救われた。
ウルス ペルフォルマンテ(2023年)
イタリア国家警察に加わった最新の車両は、2023年12月にローマのヴィミナーレ広場で納車された「ウルス ペルフォルマンテ」である。納車式にはジョルジァ・メローニ首相、マッテオ・ピアンテドージ内務大臣、ヴィットリオ・ピサーニ警察署長が出席し、会長兼CEOのステファン・ヴィンケルマンから直接キーを受け渡された。
このモデルはランボルギーニ本社でカスタマイズされ、チェントロ・スティーレがデザインしたカラーリングが施された。クラシックなイタリア国家警察を象徴するブルーに、ホワイトとトリコローレのストライプがシルとベルトラインに沿って配されている。
ウルスには、安全な武器の収納庫、折りたたみ可能なメッセージパネル、トランク内の工具用コンパートメント、除細動器など、治安維持に不可欠な装備が装備されている。すべての納入車両と同様に、臓器搬送用の冷蔵コンパートメントが装備され、ディスプレイとデータロガーで温度を常時監視できる。
ランボルギーニは、イタリア国家警察の最も重要な任務をサポートする車両の提供を通じて、イノベーションと社会的コミットメントを浮き彫りにするものである。
【AMWノミカタ】
ランボルギーニのようなスーパーカーが警察車両として使われている例は比較的多い。有名なのはドバイで、これまでブガッティ「ヴェイロン」やフェラーリ「FF」、アストンマーティン「One77」などが導入されてきた。最近ではイタリアと同じくウルス ペルフォルマンテも納入されたと聞く。
各国で使われるスーパーカーの主な任務は街頭警備であったり、地域イベントの集客であったり、観光PRなど軽い業務となるが、イタリア国家警察で使わるランボルギーニはそれらに加え臓器搬送という非常に重要かつ実務的な役割が与えられている。この役割を果たすためにはもちろん高速走行ができるパフォーマンスと、機械的な信頼性が必要となる。
イタリア国家警察が20年もの間ランボルギーニと協力関係を結んでいることが、なによりもそのブランドに全幅の信頼を寄せている証なのだろう。そして「人々を救う救世主」としてこれからもこのブランドは市民の意識の中に根付いてゆく。