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精肉業で活躍していたトヨタ「クラウン ピックアップ」を譲り受けるも…前オーナーの亡霊が憑いてた!? トラブル続きを乗り越えて現在フル稼働中

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TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)

  • トヨタ クラウン ピックアップ:セダンベースのピックアップのかっこよさは、長いフロントノーズと荷台のバランスにある
  • トヨタ クラウン ピックアップ:社用車として長年活用されてきたため、ボディは決して美しくはないが、それも含めて歴史を感じさせる
  • トヨタ クラウン ピックアップ:モールやグリルの造形などは、当時の最高級セダンのこだわりが感じられる
  • トヨタ クラウン ピックアップ:荷掛けフックもそのまま残している
  • トヨタ クラウン ピックアップ:セダン同様のモールや造形美が、高級車クラウンとしてのこだわりだった
  • トヨタ クラウン ピックアップ:ステアリングはレカラ。タコメーターも追加装備済み
  • トヨタ クラウン ピックアップ:セダンピックアップといえば、やはりこのベンチシートだ。内装は程度相応だが、シートカバーで明るい雰囲気に
  • 1969年式のトヨタ クラウン ピックアップとオーナーの“ダミアンマツオ”さん
  • トヨタ クラウン ピックアップ:ヒップアップスタイルで和製ホットロッド感を演出
  • トヨタ クラウン ピックアップ:1969年式はマイナーチェンジ後のため、顔つきがよりスタイリッシュに

ライトバンやピックアップも存在したオールドクラウン

トヨタ「クラウン」といえば、同一車名で今でも販売が継続されている最も古い車種であり、かつ誰もが認める高級車。そのクラウンにも、初代&2代目の「トヨペット マスターライン」から3代目「クラウン ピックアップ」までは、ピックアップトラック仕様が存在していました。「オールドカーIN肥前浜駅」で見かけた「クラウン ピックアップ」は、オールドクラウン界の有名人が約4年前に引き継いだ由緒正しき個体。その入手にまつわるヒストリーを紹介しましょう。

精肉業の社用車として活躍していたピックアップ

2024年9月22日に佐賀県鹿島市浜町のJR九州肥前浜駅前で開催された「オールドカーIN肥前浜駅」の主催は、NPO法人 肥前浜宿水とまちなみの会。その担当としてこのイベントを取り仕切っていたのが、このトヨタ「クラウン ピックアップ」のオーナー、“ダミアンマツオ”さんだ。

古い国産車が好きでその手の雑誌などを読み漁ってきた方ならば、この名前を聞けば分かる方も多いだろう。某誌でのイベントレポートや、プラモデル企画の塾長を務めるあのお方だ。所有したクラウンは初代からはじまり15台以上を入手し、レストアからカスタムまで手をかけてきた猛者だ。今回の個体は、2020年3月に入手した車両となる。

「もともとは、鹿児島県で精肉業を営む創業者のおじいさんが所有していた車両です。創業当初から実際に活用されてきた社用車で、クルマにはだいぶ薄くなっていましたが、当時の屋号も残っていました。そのおじいさんにとってこのクラウン ピックアップは、会社のシンボルであり、ご自身のアイデンティティだったんだと思います。同じオールドクラウンの会の会員だったこともあり、たまに会うと早く譲ってくれと、私がせがんでいたんですよ(笑)」

ところがある日、参加しているオールドクラウンの会の件で連絡を取ってみるものの、音信不通の日々が続く。しばらく時間が経って、ようやく先方から連絡が来たと思ったら、電話の向こうの声はおじいさんの娘さん。そして、訃報を聞かされたのだった。

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