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「トレノ」ではないトヨタ「スプリンター」の希少な2ドアハードトップを発見!「カローラ」にしか見えないのには理由がありました

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TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸(ガスグラフィックス)

  • 1979年式トヨタ スプリンターとオーナーの中山雄策さん(左)と友人の今井朝陽さん(右)
  • トヨタ スプリンター:レビン/トレノではなく、カローラ/スプリンターとしては最後のFR車となる。見事なまでに直線基調のボディは、空力を意識した当時最先端のデザインだった
  • トヨタ スプリンター:テールランプ、エンブレム類もカローラへと変更しているため、外見でスプリンターだと指摘できる人はいない!?
  • トヨタ スプリンター:大型のウレタンバンパーもこの時代の特徴
  • トヨタ スプリンター:オーバーフェンダーは前後に装着。ロー&ワイド感が強調され、4代目のハードトップデザインがよりレーシーに見えてくる
  • トヨタ スプリンター:当時は3ドアリフトバック車にメーカーオプションでムーンルーフ(サンルーフ)が設定されていた。こちらは社外品を装着している
  • トヨタ スプリンター:ボディサイドに貼られたTOM’Sステッカーも雰囲気抜群
  • トヨタ スプリンター:前オーナーによって貼られた数々のステッカー。その中にある『J-Attitude』(ジェイアティチュード)とは、筆者が2017年に編集制作した、ドリフト、VIP、改造車など、さまざまな日本発祥のクルマ文化を世界へと発信するバイリンガル(日本語、英語)雑誌。発行はこのオートメッセウェブを運営する交通タイムス社で、じつは前オーナーの所属チームはこの『J-Attitude』でも取り上げており(このスプリンターは未掲載)、偶然この取材で再会したのだった。なお、1号しか作っていないこの雑誌、交通タイムス社のオンラインサイトでまだ購入できる。気になる方はぜひ!
  • トヨタ スプリンター:ロールバーが組まれた内装。ハンドル、シフトノブ、メーターの変更など、基本的には実際に走って楽しむための仕様となっている
  • トヨタ スプリンター:中山さんも好きだというバケットシート。ゴールドの外観とは対照的な落ち着いた雰囲気の内装である
  • トヨタ スプリンター:1500ccであれば3A-U型が搭載されているが、こちらはAE111型5バルブの4AGに変更済み。ワイヤータック化されているのもポイント
  • トヨタ スプリンター:4代目スプリンターは異形角型2灯で登場。同型のカローラは丸形4灯を採用していたが、ハードトップと3ドアは規格型角型2灯を採用。紛らわしいがこのスプリンターの顔はカローラに変更されている

たくさんあり過ぎて分からなくなる? 派生車種があふれた時代

トヨタを代表する小型セダン「カローラ」には、たくさんの兄弟車が存在します。「スプリンター」「レビン」「FX」「ツーリング」「スパシオ」など、数え上げたらキリがありません。今回紹介する車両は、カローラシリーズの中でもある意味双子のような存在であったスプリンター。さらにその中でも、「トレノ」ではない希少な2ドアハードトップの車両です。

4種類のボディデザインが用意された4代目スプリンター

4ドアセダン、2ドアハードトップ、3ドアクーペ、3ドアリフトバック。1979年3月に発売されたトヨタ4代目「スプリンター」には、この4タイプのボディが用意されていた。

年齢や性別など多様なユーザーに合わせて、それぞれ別車種を用意するのではなく、1台の車種でバリエーションを増やす。それが、1970年代~1980年代では当たり前の手法だった。しかし、その全てのデザインが絶対的な支持を得られるわけではなく、一部では希少価値が高まったもの(つまり当時は売れなかった)もたくさん存在する。

2024年9月15日に福岡県北九州市の西日本総合展示場で開催された「C.C.C Create a Car Culture」に参加した中山雄策さんが所有するこの4代目スプリンターは、2ドアハードトップだ。スプリンターという車両が兄弟車「カローラ」とともに多様化し、「レビン」や「トレノ」といったスポーツ系の派生車種も存在していたことで、本流にラインナップされていた2ドアハードトップの存在価値がもはや薄れてしまっていた時代のボディスタイルと言えるだろう。

しかし、年齢層が高いユーザーを意識したセダンと比べると、クーペをベースとしたハードトップは低さが強調されたスタイルだった。そのカッコよさをうまくカスタムで引き出したのが、中山さんの愛車なのである。

前オーナーの意志を受け継いだカローラ顔

中山さんの愛車は4代目スプリンターだ。しかし、顔つきはカローラに変更されている。エンブレムもすべてカローラに変更されているため誤解されることが多いそうだが、ベースは紛れもなくスプリンターなのだ。

「手に入れたのは3年ほど前になります。当時、周りの友達がハチロク(レビン/トレノ)を手に入れたのを見て、僕も欲しくなってしまい(笑)。たまたまSNSを通して、この車両が売りに出されていることを知ったのですが、エンジンがハチロクと同じ4AGに変わっているし、この雰囲気がとてもカッコよかったので、購入しました」

じつは、このスタイルはすでに前オーナーによって完成されたもの。エンジンは5バルブのAE111型で、社外品のサンルーフも追加。前後オーバーフェンダーを装着し、足まわりを変更しており走りを楽しめる仕様になっている。前オーナーは関東で有名な4AGにこだわった某チームのメンバーであり、この車両でドリフトを楽しんでいた。しかし、昔から憧れていたある車両を入手するために、スプリンターを手放すことにしたという。結果、中山さんがスプリンターを引き継いだのだった。

「僕もドリフトが好きで6代目S14型前期のシルビアも持っていますが、前オーナーさんのようにこれでドリフトを楽しもうという勇気はまだないです(笑)。でも、外観や内装の仕上げなども自分好みなので、このスタイルを大きく変えることなく乗り続けたいと思っています」

純正と違って、チューニングやドレスアップは、所有者の好みが色濃く反映される。その結果、オーナーが変わったことでその車両の方向性や雰囲気が変わってしまった、ということはよくある話。しかし、前オーナーと中山さんのように、前オーナーの意志をできるだけ受け継いでくれる後任の存在というのは、同じクルマ好きとして、とてもありがたいものなのだ。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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