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元クラシック・ミニオーナーが最新「MINI」に乗ってみると…?「BEV」と「ガソリンモデル」の違いを比較しました【KEEP ON RACING】

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TEXT: 太田哲也(OTA Tetsuya)  PHOTO: BMW AG

  • ミニ クーパー SE:クラシック・ミニのシンボルだったセンターメーターにインスパイアされた大きな円形有機ELディスプレイが搭載されている点も興味深い
  • ミニ クーパー S:クラシック・ミニとはまったくの別物のスタイリングとなった
  • ローバー ミニ クーパー:荒れた路面での上下動が忘れられない
  • ミニ クーパー E:英国のレトロ感はどこへやら、これはもう完全に洗練されたドイツ車だと思った
  • ミニ クーパー SE:NEW MINIはクルマというより、スマホ感覚で楽しむエンタメ空間になっていた
  • ミニ クーパー SE:リアシートもしっかりとした掛け心地を実現
  • ミニ クーパー E:NEW MINIはガソリンモデルとエレクトリックモデルが並列しても違和感がなく、むしろ同じカテゴリーとして成立している
  • ミニ クーパー E:英国のレトロ感はどこへやら、これはもう完全に洗練されたドイツ車だと思った
  • オースチン ミニ(左)とミニ クーパー E(右)
  • ミニ クーパー E:エレクトリックモデルでは、車内に仮想エンジン音を響かせるモードもある
  • ミニ クーパー E:エレクトリックモデルでは、車内に仮想エンジン音を響かせるモードもある
  • ミニ クーパー S:路面のギャップをしっかりキャッチして安定感が抜群だった

スマホ感覚で楽しむエンタメ空間になっていた

かつてクラシック「ミニ」乗りだったという太田哲也さんが、最新の「MINI」を試乗しました。クルマにはサウンド(もちろんエンジンやエキゾーストの)を求める太田さんには、静かに快適になった最新モデルはどのように感じられたのでしょうか。

クラシック ミニとはまったくの別物

先日、ガソリンモデルとオール・エレクトリックモデルの「MINI クーパー」に試乗した。メーカーは「NEW MINI」がクラシック「ミニ」のレガシーを受け継いでいるというが、昔クラシック・ミニに乗っていた僕の目には、英国のレトロ感はどこへやら、これはもう完全に洗練されたドイツ車だ。

クラシック・ミニの思い出といえば、荒れた路面での上下動だ。当時、中央道の談合坂トンネルを走ると、バンプ・ラバーに当たりまくり「なんだこの衝撃!」と驚く反面、運転している自分にはそれが面白くてニヤニヤ。同乗者は不快だったかもしれないけど、これぞクラシック・ミニの「味」だった。それに比べNEW MINIは路面をしっかりキャッチして安定感が抜群。「これ、本当に同じミニ?」と驚くくらい、ドイツ車の安定性と精度が感じられる。

細かいスペックは気にせず楽しむエンタメ空間

また、クラシック・ミニのシンボルだったセンターメーターにインスパイアされた大きな円形有機ELディスプレイが搭載されている点も興味深い。エレクトリックモデルではこのディスプレイが変化し、モードに合わせて車内にウォーンという仮想エンジン音が響く。表示される色に応じてサウンドも変わり、まるで別世界に入り込んだような感覚だ。NEW MINIはクルマというより、スマホ感覚で楽しむエンタメ空間になっている。

インテリアもファッショナブルで、かつての無骨な「ぶさかわいい」クラシック・ミニとは一線を画している。デザイナーが若い世代向けに工夫を凝らし、シミュレーションの世界へと進化した感がある。NEW MINIは見た目はミニだけど、かつての道具的だったミニとは全く異なるキャラクターを持っている。

さらにNEW MINIはガソリンモデルでさえエンジン音が抑えられていて、静音性が徹底されている。内燃機関が働いている感じを意識させない設計が近未来的だが、ガソリンエンジンのサウンドや振動を味わいたい僕にとっては少し寂しいところもある。でも、そんな「音の静けさ」もNEW MINIならではの魅力だ。

現代では、スマホの細かい仕組みを気にせずに使う人が多いように、エンジンスペックやメカニズムよりも「音楽をクリアに楽しめるか」などが重要な要素と感じるユーザーが増えているのも確かだ。そういう意味でNEW MINIはガソリンモデルとエレクトリックモデルが並列しても違和感がなく、むしろ同じカテゴリーとして成立している。

■太田哲也さんのコラムはこちら
KEEP ON RACING
https://www.keep-on-racing.com/

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  • 太田哲也(OTA Tetsuya)
  • 太田哲也(OTA Tetsuya)
  • 1959年11月6日生まれ。モータージャーナリスト/元プロフェッショナルレーシングドライバー。1986年から当時のトップ・フォーミュラであったF3000やグラチャンに6シーズン出場。マツダのワークスドライバーにも抜擢され、プロトタイプカーのグループCカーによる国内レース出場及び海外テストを担当。ル・マン総合優勝車となるマツダ787Bなどをドライブした経験も持つ。その後GTレースに転向し、イタリアのフェラーリ準ワークスなどから4年連続でル・マン24時間レースにフェラーリF40GTEで出場。同時期に全日本GT選手権などでもフェラーリF40やF355で優勝するなど「日本一のフェラーリ遣い」の異名を取った。50代からは実業家にも転身、チューニング・ブランド「TEZZO」をプロデュース。著書『クラッシュ〜絶望を希望に変える瞬間』『リバース〜クラッシュ2魂の戻る場所』(共に幻冬舎)はベストセラーとなり映画化もされた。2024年度カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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