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「サクシード」から乗り換えたトヨタ「WiLL Vi」のパーツはほぼ皆無…100均グッズで自作したパーツとは?「ビートル」を目指した可愛いらしいカスタム

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TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸(ガスグラフィックス)

  • 2000年式のトヨタ WiLL Viとオーナーの立山拓人さん
  • トヨタ WiLL Vi:初代ヴィッツのプラットフォームを流用。オーナーの立山拓人さんは、今後リトラクタブルヘッドライト化を目論んでいるそう
  • トヨタ WiLL Vi:昔の馬車をイメージしたと言われるキャビンデザイン。若年層へのPRは、これぐらい割り切ったスタイルが必要だった!?
  • トヨタ WiLL Vi:ミラーはホンダ アクティ用カリフォルニアミラーを流用
  • トヨタ WiLL Vi:エアサスを自ら組んで、このスタイルを獲得。ノーマルのデザインはこのホワイトリボンが良く似合う
  • トヨタ WiLL Vi:ホイールセンターキャップは100均のステンレスカップを使用。雰囲気抜群の仕上がりに
  • トヨタ WiLL Vi:内装は基本的にノーマルのまま
  • トヨタ WiLL Vi:シートカバー代わりにラグを活用している
  • トヨタ WiLL Vi:ドアロックノブなどにも、アメリカンクラシックテイストあふれる仕上がりを目指した
  • トヨタ WiLL Vi:リアウインドウの傾斜が、一般的とは逆になるこのデザインこそViの特徴。なおボディはこのノーマルルーフとキャンバストップの2種が設定されていた
  • トヨタ WiLL Vi:シンプルなデザインを採用したサイドパネルに、前後ブリスターフェンダーが興味深い

若年層にトヨタを意識させるために生まれたWiLLシリーズの第1段

2000年から2002年にかけて、トヨタでは「Vi(ヴイアイ)」「VS(ヴイエス)」「サイファ」と呼ばれる「WiLL(ウィル)」シリーズの3車種を発売しました。これは若者のトヨタ離れを危惧した当時の同社社長、奥田 碩氏が主導した仮想企業バーチャル・ベンチャー・カンパニーの発案によるもの。若年層に支持されるブランドを創造するべく、花王、アサヒビール、近畿日本ツーリストといった一流企業各社が「WiLL」という統一名称と「遊びゴコロと本物感」というテーマのもとに商品を企画販売した一環で、ある意味希少な3車種なのです。

誰も選ばないベース車で、独自の世界観を目指す

トヨタ「WiLL Vi(ウィル ヴイアイ)」をカスタム系のイベントで見るのは、非常に珍しい。それだけに、この足まわりを中心にカスタムが施されたローダウンのWiLL Viは、「C.C.C Create a Car Culture」の会場内でとても目立つ車両だった。

オーナーの立山拓人さんがこの愛車を入手したのは、3年ほど前のこと。いろいろなクルマが好きで、トヨタ2代目30型「ハリアー」でJラグを楽しんだり、現在も11代目17型後期「クラウン アスリート」「セルシオ」は初代と3代目の2台。そして、レクサス「SC430」も所有しているそうで、WiLL Viは「サクシード」からの乗り換えだという。

「カスタムするとカッコよくなるかも? というのが、WiLL Viを選んだ理由です。子どもの頃は変な形だなと思っていたんですけどね(笑)。値段が安かったのですが、女性のワンオーナー車で走行距離も6万kmほどと、状態のいい個体でした」

空冷ビートルのような可愛らしさを目指して

WiLL Viの生産は、2000年1月から2001年12月の2年間のみ。しかも約1万5000台の販売で決して売れたクルマではなかったため、カスタムするにも社外品はほぼ無い状態。

「パーツが無いのは最初から覚悟していました。そのため、エアサスは各部品を自分でセレクトしながら組み、ホイールセンターキャップも100均のステンレスカップを流用しています(笑)。基本的に、1960年代のフォルクスワーゲン タイプ1、空冷ビートルをカスタムしたような雰囲気を意識しています」

トヨタ WiLL Vi:シンプルなデザインを採用したサイドパネルに、前後ブリスターフェンダーが興味深い

エアサスとエアバッグはロームエアー。その他のコンプレッサーや各部品は立山さんのオリジナルセレクト。ホイールは13インチ設定のKブレイク製鉄チンで、タイヤもイメージ通りのホワイトリボンを装着している。ミラーはホンダ「アクティ」用のカリフォルニアミラーを流用し、このスタイルを完成させている。

「WiLL」シリーズが唱えていた「遊びゴコロと本物感」というテーマは、20年以上の時間を超えて、こうして素晴らしいカスタムの素材として生き延びているのだ。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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