マセラティが「CES 2025」に出展
マセラティは、2024年1月7日~1月10日に米ラスベガスで開催されている世界最大のデジタル技術の見本市「CES 2025」において、「MC20チェロ」と「グレカーレ」を展示します。とくに注目なのは、ミラノ工科大学と共同で開発し、AIを搭載して自動運転を実現するMC20チェロです。マセラティの最新情報をお送りします。
AIドライバーを搭載したMC20チェロを公開
マセラティとミラノ工科大学との2度目となるコラボレーションは、AIを搭載した「MC20チェロ」の公開により新たな展開を迎えた。このAIドライバーは、ミラノ工科大学の研究者とともに共同開発されたAIDA(Artificial Intelligence Driving Autonomous)プロジェクトの一部である。
AIDAは、ミラノ工科大学と国立研究所の「MOST」が主導する研究プロジェクトで、公道での自動運転のテストと検証に重点を置いている。
ミラノ工科大学とマセラティによる最初のプロジェクトでは、ロボドライバーを搭載した「MC20」が、イタリアのピアチェンツァ・サンダミアーノ空軍基地の滑走路で濃霧の中、時速285km/hを記録した。これは、人間の介入なしでのAI運転による市販車の最高速度記録を達成している。
CES 2025では、この記録を持つMC20が1月9日に開催の自動運転チャレンジのオフィシャルセーフティカーとして活躍する予定。MC20チェロは、イタリア貿易振興会(ITA)、ANFIAなどのブースに展示される。
ソナス・ファベールは専用サウンドシステムを装備したマセラティの試乗会を実施
また、マセラティのオーディオパートナーであるソナス・ファベールも最新の製品や技術、没入感のあるサウンド体験をCES 2025で披露する。同社は「グレカーレ トロフェオ/フォルゴーレ」の2台を展示し、ソナス・ファベール・ハイプレミアム・サウンドシステムの卓越した音質を体験できる試乗会を実施する。
グレカーレには、14スピーカーのソナス・ファベール・プレミアムサウンドシステムが標準装備されており、オプションで21スピーカーのさらにハイプレミアムなアップグレードが可能。このシステムは、2022年と2023年にEISA委員会から「ベスト・インカー・サウンド・システム」に選出されている。
AMWノミカタ
今回の目玉はAIを搭載して自動運転を実現するMC20チェロの展示であるが、発表では残念ながら具体的な技術的説明はされていない。ミラノ工科大学のAIDAチームの最近の活動では、グランカブリオ フォルゴーレを使用してイタリアの「1000 Miglia Autonomous Drive」という、約1600kmを自動運転で走る競技に参加している。目的はAIアルゴリズムの改善、制御アルゴリズムの改良、車両が通った道路をデジタルで再現、乗車体験の充実、そして少なくとも300kmのルートを自律走行することであった。
現在イタリア国内では1000km程度の公道で自動運転の実証試験が認可され、さらにその距離は伸び研究環境も充実してきているようだ。このようなMOSTが主導するモビリティシステム全体をより「グリーン」に、そしてその管理をより「デジタル」にすることで事故を減らす国家的な取り組みにマセラティが積極的に参加することで、伝統、スピード、スタイル、ラグジュアリーに加え「最新技術の追求」という新たな価値がこのイタリアンブランドを際立たせるのではないだろうか。