東京都内はまるでジャングル!
「日本一のフェラーリ使い」として名を馳せた太田哲也さんは、イタリア車好きとしても有名です。しかし最近、意外と思われるかもしれませんがスバル車に関心が向いているそうです。この心境の変化には太田さん自身も驚いているということですが、太田さんの日常になにか変化があったのでしょうか? 今回はその心境の変化をお伝えします。
都内の通勤用にはスバル車が最適かも
どうも、太田哲也です。最近、僕のクルマの価値観にちょっとした変化が訪れている。というのも、これまでイタリア車やフランス車ばかりを愛車にしてきたけれど「そろそろスバルに乗り換えようかな」と思い始めているんだ。こう書いてしまうと驚く人もいるかもしれないけど、僕自身も驚いている。
どうしてそんな気持ちになったかというと、東京都内の道路が最近、まるでジャングルみたいに危ないことになってきたからだ。
自転車や電動キックボードが縦横無尽に走り回り、信号無視や逆走も日常茶飯事、とくに都心の道路は無法地帯、通勤中は「今日はどこから何が飛び出してくるんだ?」って目を皿のようにして見回している。心の準備として、いつか加害者になってしまうかも……って、毎日不安な気持ちでいっぱいだ。
僕がこれまで愛してきたイタリア車って、エンジンや吸排気系が奏でるサウンドが陽気な気分にさせてくれて、運転も自然にリズムにのっている。でも「運転していて楽しいことよりも、安心して通勤できるクルマに変えようかな」って思い始めたわけなんだ。
スバルの開発者の本気と安全性能へのこだわり
こんな気持ちにさせられたのには理由がある。じつは僕はここ7年間にわたって、スバルの開発部に配属される新入社員に対する安全運転研修の仕事を請け負っている。そこでは「人間力」をテーマに、サーキットでの事故の話やプロとしてのレース経験から、安全意識やプロ意識の向上をテーマに共有しているわけだ。
僕の事故の経験が彼らを通じてスバル車に反映されていると思うと、嬉しい気持ちだ。そして彼らとのふれあいにより、スバルの開発者が、単に仕事だからではなく、本心から事故を減らしたいと考えていることを理解している。初期の受講生たちはすでに技術者として要職に就き、スバル車の開発に携わっている。だから安全意識の高い彼らが作るスバル車に注目なのだ。
エントリーモデルのクロストレックを甘く見てはいけない!
そう思い始めたタイミングでスバル「クロストレック ストロングハイブリッド」の試乗のお誘いをいただいた。というわけで、モータージャーナリストというよりも、むしろ購入調査の目的も持って静岡県「イエティ」というスキー場に用意されたダート特設コースに出かけたのだった。
クロストレックはスバルのSUVの中ではエントリーモデル的位置づけだ。「エントリーモデル」と聞くと、「まあ、基本的な装備がついてりゃ十分でしょ」みたいな印象を持つ人が多いのではないだろうか。でもスバルはそこを全力で裏切ってくれる。まさに「技術の宝石箱」。
アイサイトなどの安全装備が標準搭載されていて安心、お買い得。広角レンズが脇も見張ってくれるから、自転車や電動バイクの予測不能な動きを察知する。これがあれば運転者からは死角となる歩道から車道に飛び出してくる自転車に対応できるかもしれない。
またスバルのお家芸、シンメトリカルAWDも標準装備だ。一般的な4WD(電気式)って「滑ったら助けます」っていう後手の対応なんだけど、スバルのシンメトリカルAWD(機械式4WD)は「お前が滑る前に、俺が助ける!」とばかりに、最適なトラクションを先回りして提供してくれるのだ。エントリーモデルの価格帯でこのレベルの装備がついてくるんだから、これも「お買い得」だ。