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ようやくクオリティも安定…マクラーレン「アルトゥーラ スパイダー」が新時代のベスト オブ スポーツカーと呼べる領域に完成度がアップ!

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TEXT: 西川 淳(NISHIKAWA Jun)  PHOTO: AMW/McLaren Automotive

  • マクラーレン アルトゥーラ スパイダー:最高出力585ps/最大トルク585Nmを発生する3L V6ツインターボと95ps/225Nmのモーターを組み合わせ、システム総合で700ps/730Nmを発揮する。0-100km/h加速は3秒
  • マクラーレン アルトゥーラ スパイダー:ハンマーヘッドノーズやエアインテークを備えたヘッドライトなど、フロントマスクのデザインはクーペ同様
  • マクラーレン アルトゥーラ スパイダー:スパイダーの登場に併せて、新開発のパワートレイン・マウントの採用をはじめ改良が施されており、乗り心地やハンドリングが見直されている
  • マクラーレン アルトゥーラ スパイダー:軽量でサポート性の高いクラブスポーツ・シートを備える
  • マクラーレン アルトゥーラ スパイダー:リアバットレスが透明になるなど後方の視界が向上している
  • マクラーレン アルトゥーラ スパイダー:ボディにはカーボンと成形アルミニウムを用いたMCLA(マクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー)を採用
  • マクラーレン アルトゥーラ スパイダー:ルーフの透明度を変更できるエレクトロクロミックガラスルーフも用意された
  • マクラーレン アルトゥーラ スパイダー:3L V6ツインターボを縦置きでリアミッドに搭載、モーターはトランスミッションのベルハウジング内に配置されている
  • マクラーレン アルトゥーラ スパイダー:PHEVのオープンモデルでありながら、車両重量をクーペ比+62kgの1457kg(乾燥重量)に抑えている
  • マクラーレン アルトゥーラ スパイダー:メーターナセルの左右に備わるドライビングモードの切り替えスイッチなど、インテリアはマクラーレンの他モデル同様のデザイン
  • マクラーレン アルトゥーラ スパイダー:リトラクタブルハードトップのスパイダーにもディヘドラルドアを採用。ボディに沿って開閉するため、狭い駐車場でも乗り降りしやすい
  • マクラーレン アルトゥーラ スパイダー:量産ハイブリッドミドシップカー「アルトゥーラ」のオープンモデル。その登場に併せて、パワーアップや足まわりの改良などさまざまな改良も行われている

クルマ運転好きの選ぶべき最右翼のスーパーカー

マクラーレン・ブランドの主力モデルとしてデビューしたプラグインハイブリッド車「アルトゥーラ」のオープンモデル「アルトゥーラ スパイダー」を、モータージャーナリスト西川 淳氏が東京〜京都で試乗しました。EV走行も意外と楽しい、軽量スーパースポーツの実力とは?

スパイダー登場に合わせてクオリティがさらに向上

マクラーレン「アルトゥーラ」は2022年にブランドの主力モデルという位置づけでデビューした。注目すべきは新開発のプラグインハイブリッドパワートレインを搭載したこと。120度V6ツインターボ+電気モーター+バッテリーという構成は後にフェラーリも追従することになる。

とはいえ、簡単ではなかった。マクラーレンは今や2シーターのリアミドシップのみをラインアップするという唯一の独立系メーカーだ。ごく少量限定のモデルならともかく、シリーズモデルの量産においてはかなりの労力が必要となる。なかでもバグとの戦いとなる制御システムの安定化には相当てこずったよう。市場投入後もクオリティが安定するまでに多少の時間を要した。

アルトゥーラでは他にも新たな取り組みがあった。マクラーレン製スーパーカーの肝心要となるカーボンファイバーモノコックボディを自社工場で生産することになったのだ。電動化も併せて茨の道を進む覚悟があったのだろうと推察する。

そんなアルトゥーラもスパイダー登場を機にクオリティが随分と上がってきた。パワートレインの性能もさらにグレードアップし、ブランドの中核モデルとしてようやく安定してきたと言っていい。

ルーフの開閉時間はわずか11秒

クーペからスパイダーへと変更する手法そのものはこれまでの「720S」や「750S」と変わらない。カーボンボディゆえにルーフまわりのデザイン自由度は高く、透明のリアバットレスを採用するなど個性を出すことにも成功した。スーパーカーをドライブすると斜め後ろの視界が悪いことも多い。透明なバットレスは実用的でもあった。

ルーフの開閉時間はわずか11秒。車速50km/h以下であれば走行中も可能、という便利さもまた従来通りだ。透明度を変更できるエレクトロクロミックガラスルーフをオプションで選ぶこともできるが、せっかく軽く仕上がったモデルに是が非でも必要な装備かどうか。

事前に少し乗った時には全体的に完成度の上がった感覚がはっきりあった。今回、改めて京都までのロングドライブを試すにあたり、とくに電気系マネジメントの仕上がりを確認しておきたいと思った。

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