公道を走れるように製作
東京オートサロン2025年でも話題が尽きない自動車専門大学校の学生たちが手がける魅力的なカスタムカー。その中でもAMWが注目したのは、群馬自動車大学校カスタマイズ科の学生が卒業製作として作った「クレスタワゴン」です。このクルマ、ベースはトヨタ「クレスタ」(100系)ですが、フロントフェイスは現行「クラウン」、そして形は懐かしの「クラウンエステート」風にリメイクされていました。
100系クラウンのエステートを思い出し組み合わせた
カスタム好きな群馬自動車大学校の生徒4名が集まって製作に挑んだ「クレスタ」(100系)ベースのエステートワゴン。そもそものきっかけは、みんなの話し合いの中で、話題の現行型「クラウン」をモチーフに、新旧それぞれの良さを自分たちの価値観で表現する1台を作り出そうというコンセプトのもと、アイデアを出し合って製作を進めた。
車種選定は限られた予算の範囲で100系クレスタを選択。純正のままではインパクトが薄いクルマだが、現行クラウンのフェイスデザインをフル移植し、現代カーとしてのテイストを織り交ぜたらカッコ良くなるはずと思ったそうだ。
話し合いをきっかけに、そこから目指すべきデザインやフォルムを模索する過程の中で、ベース車であるクレスタと同形式となる100系クラウンにはステーションワゴンの「エステート」が存在することを思いつく。その結びつきもあって、どうせ作るなら、100系クレスタをエステート化させた方がカスタムカーとして面白くなる! と、判断し、今回、ルックスも勇ましく、スタイリッシュなフォルムを持つクレスタエステートワゴンが完成したというわけだ。
前後ともにブリスターフェンダーを設定
造形については、フロントセクションは現行クラウン用のパーツを使い、リアのステーションワゴン化は、リアガラスとトランクを外し、ワゴン化させるべく、作り出したい造形をいったん発砲ウレタンで成形。その後、プレスラインを含めた細部のデザイン処理を施した後にFRPによってボディ成形を行う工程を経て生み出した。
本当はステーションワゴンとしてリアハッチも開けられるように作り込む予定だったが、思っていた以上に造形に時間がかかり、ハッチを開けるシステムまで組むことができなかったのが心残りだとか。今回の展示車両ではリアセクションにはガラスも入らない一体成型とされていた。
また、カスタムカーとしてボディのワイド化は外せないというみんなの意見から、前後ともに純正形状に近い形でブリスターフェンダーを設定。そこに収めるホイールはワーク製イミッツの20インチで、前後ともリム幅を強調するサイズを選択。履かせているのはフロント11J-51、リア12J-60というディープリムホイールであった。
エンジンは1JZターボエンジンを搭載
見た目もスタイリッシュでカッコいいクレスタだが、モチーフとしたクラウンエステートといえば、印象に残っているのは「アスリート」。そこで、このクルマはオリジナルエンジンのノンターボ1Gエンジンを捨て、スピード重視のアスリートモデルとして1JZターボエンジンに載せ換えていた。そして、そのパワーユニットもさらにチューニングし、タービンをトラスト製T67-25Gシングルターボにすることで、パワフルな走りが楽しめるカスタムカーに仕上げていた。
群馬自動車大学校の生徒たちが公道を走れるように本気で取り組み完成させたクレスタエステートワゴン。このクルマは、形だけのいわゆるハリボテカーではなく、しっかり走ることまで計算に入れて作られていた。その証拠に、サスペンション等も強化され、激しい使用にも耐えられるようチューニング済みとなっていた。