サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

バブル期の名車ベンツ「W124」をスーパーシルエット化! 令和の学生たちが考えたカッコいいカースタイルとは? キャノピーでワゴンにもなります

W124 Racing VIP:KY910 ブルーバード スーパーシルエットのボディデザインを参考に製作した

個性的な異色マシンとして存在感を高めていた

毎年、自由な発想で作るカスタムカーが面白く、その作りも年々レベルアップしていると話題になっている群馬自動車大学校(GAUS)。東京オートサロン2025でもカスタム好きの学生たちが集まり、各班に分かれて個性的なマシンを製作して出展しました。

校内にあったEクラスをベースにカスタム

華やかに飾られた群馬自動車大学校のブース内には、異色のカスタムカーが勢揃いしていたが、その中で真っ先に目に飛び込んできたのが、往年の名車メルセデス・ベンツ「Eクラス(W124)」をベースにシルエットフォーミュラーのごとくカスタマイズしたインパクト抜群のド迫力マシンの姿であった。車名は「W124 Racing VIP」として展示。

生徒のひとりに話を聞くと、このクルマの製作に携わったメンバーは14名の生徒たちとのこと。みんなカスタムカー好きで、今回のクルマのテーマについては話し合いの中で「令和の学生たちが考えるカースタイル」とすることに決定。そのコンセプトに沿って、まずはベース車両探しを開始。ルールとして学校内で余っている車両を使うことが条件になっているため、その中で目を付けたのがメルセデス・ベンツ Eクラス(W124)であったということだった。

過去にも前例のない発想のクルマを作ろう

ベース車が決定した段階で、最初に決まったのが、初見でインパクト抜群のルックスにすること。そして、過去にも前例のない発想のクルマを作ろうということだった。そういう意味でも、ワイドボディ化は外せないが、ただのワイドボディでは東京オートサロンというカスタムカーの祭典においては目立つことができない。そこで生徒たちが思いついたのが、派手な外観でアピール度が高いスーパーシルエットと呼ばれる過激マシンによる過去のレースマシンの存在だった。

このスーパーシルエットとは、1980年代初頭にサーキットを沸かせたGr.5カテゴリーに属したレースマシンのこと。改造範囲がとても広いことから、戦いを有利にするための武器としてボディは軽く、エンジンをハイパワー化して、太いタイヤを履かせるために空力を考えたワイドボディ化を推し進めた。市販車ベースのFIA公認レースの中では一番過激とも言われ、当時の改造好きの若者たちを魅了した。

そんなボディをまとったEクラス(W124)ならば、目の肥えたカスタムカーファンもきっと響くはず。そう確信してのスーパーシルエット化を進めたというわけだ。

ブルーバード スーパーシルエットを参考に製作

シルエットボディといっても、さまざまなマシンが存在しているわけだが、その中で参考にしたのは、Gr.5で大活躍を遂げたKY910「ブルーバード スーパーシルエット」のボディデザインだった。当時のドライバーは柳田春人選手でカラーリングはホワイトストライプのコカ・コーラカラーでお馴染みのマシンだ。

そのシルエットボディを参考にW124に合わせてデザインスケッチを製作。独特の凹凸のあるフェンダーや迫力を出すためダクトのデザイン、張り出し量などもKY910 ブルーバード スーパーシルエットの資料を眺めながらストックボディに被せて装着できるボディキットとして細部にこだわって作ったそうだ。

また、一部流用パーツも使っていて、フロントバンパーはS13「シルビア」用の社外エアロパーツで、リアバンパーはDC5「インテグラ」用を加工装着、さらにリアウイングはまんまDC5純正リアウイングを装着させているというから面白い。

リアセクションを交換することもできる!?

また、このクルマには仕掛けも隠されていて、それがリアセクションをごっそり交換することでワゴンにもなる、変幻自在なボディを与えている点だ。製作テーマがレーシングカーではないので、このまま街中でも便利で使えることを生徒たちは想定。だったらワゴンボディの方が使い勝手が良いだろうと考え、脱着可能な専用キャノピーを用意したというわけだ。じつはこの発想、昭和のクルマ好きにとってはピンとくるかもしれないが、懐かしい日産「パルサー エクサ」からヒントを得て採用したということだった。

ハッチ部分を外してトランクを変えることでステーションワゴンにもなってしまう、学生たちが作った過激スタイルのW124スーパーシルエットベンツ。このクルマのトリッキーなカメレオンボディは、より個性的な異色マシンとして存在感を高めていた。

モバイルバージョンを終了