最高出力665馬力、最大トルク800NmのV8ツインターボ搭載
アストンマーティンは2025年1月15日、待望の「ヴァンテージ クーペ」のコンバーチブルモデル、新型「ヴァンテージ ロードスター」を発表しました。このモデルは軽量設計された4L V8ツインターボエンジンを搭載し、最大出力665ps、最大トルク800Nmを発揮。最高速度325km/hのクラス最高レベルのパフォーマンスを誇ります。電動折りたたみ式コンバーチブル・ルーフはわずか6.8秒で開閉し、重量増はわずか60kgに留めて軽量化に力を注いだモデルです。2025年第2四半期より納車開始予定のこのモデルの詳細を見ていきます。
最高速は325キロを実現
アストンマーティンは、2024年に登場した「ヴァンテージ クーペ」のコンバーチブルモデルとなる新型「ヴァンテージ ロードスター」を発表した。ヴァンテージ クーペとヴァンテージ ロードスターは、2台並行して設計・開発された。そのため、ロードスターは独自の完全な開発モデルとして、パフォーマンス、乗り心地、ハンドリング、過剰な追加重量に一切の妥協を許さない機能や装備を実装することができたという。
エンジンはアストンマーティン特注の4L V8ツインターボエンジンを搭載し、最高出力665ps、最大トルク800Nmを発揮。旧モデルよりもターボチャージャーを大型化し、カムシャフトプロファイルを見直して圧縮比を最適化したことで、最高出力が155ps、最大トルクが115Nm向上した。
トランスミッションは8速ATを組み合わせ、0-60マイル(約0-97km/h)加速は3.5秒、最高速325km/hという爆発的なパフォーマンスを誇る。ルーフを格納するために大きく傾斜したヴァンテージのボンネットとエグゾースト・テールパイプの下から発せられる、比類ないV8の轟音を楽しむことができる。
高剛性かつ軽量なアルミニウム構造、複合素材のボディパネル、バランスの良いフロントとリアの重量配分(49:51)により、ヴァンテージ ロードスターはサスペンションが理想的に機能するプラットフォームを実現した。フロントにはレースからインスピレーションを得た不等長ダブルウィッシュボーン、リアアクスルにはマルチリンク、コイルスプリング、ビルシュタイン製DTXアダプティブダンパーを採用し、さらに非分離式ステアリングコラムを搭載したヴァンテージ ロードスターは、正確性、バランス、落ち着き、そして何よりも信頼性を備え、真の高性能ドライバーズカーの紛れもない特徴を形成している。
わずか6.8秒! 最速のソフトトップ開閉
ヴァンテージ クーペと比較して剛性を高めるために、車両後部のボディの取り付け方法を改良。さらに、重量を最適化したシアパネルを戦略的な位置に追加し、クーペよりもさらに横方向の構造を強化することで、コンバーチブルカーに特有の剛性低下を相殺するために、重量を最適化したシアパネルを戦略的に配置。ヴァンテージ クーペよりも横方向の剛性をさらに高める構造になっている。
ルーフは、従来の「Kフォールド」ルーフよりも高速かつ軽量な「Zフォールド」構成で、トノカバーの必要性を排除し、さらなる軽量化と低重心化を実現する。ルーフは、時速50km/h以内であれば開閉操作が可能で、ルーフ開閉にかかる時間はわずか6.8秒。これは、現在販売されている自動開閉式ルーフ装備車の中では最速を誇る。この精巧な操作は、ドライバーがクルマの半径2m以内にいれば、車内に座った状態、あるいは遠隔操作でもキーを使って行うことができる。
ルーフは8層もの断熱材から構成され、ルーフを上げた状態での車内の騒音レベルはヴァンテージ クーペと変わらない静粛性を確保。Zフォールドの採用により、ルーフはよりシンプルかつ軽量化され、総重量増加はわずか60kgに抑えられている。
新しいカラーラインアップが追加
ボディカラーにはイリデッセントサファイア、サテンイリデッセントサファイア、ブロンズフレアの3色が追加され、ルーフの色は、ブラック、レッド、ブルー、ブラック&シルバーから選択可能。スポーツ性をさらに高めるために、21色のオプションカラーから選択した塗装を施すことも可能である。このほか、スポーツカーとしての個性を際立たせる21種類の補色から選択した色での塗装仕上げも可能だ。21インチホイールが4種類あり、7色のブレーキキャリパーを組み合わせることもできる。
コクピットにはヴァンテージ クーペと同様、アストンマーティンの次世代インフォテインメントシステムを搭載する。このシステムは、完全なオンライン接続機能を備えた一体型マルチスクリーンシステムで、フル静電容量式シングルフィンガーまたはマルチフィンガー・ジェスチャーコントロールが可能な10.25インチ・ピュアブラック・タッチスクリーン・テクノロジーを採用している。
タッチスクリーンによる軽快な操作の一方で、ギアチェンジ、ドライブモードの選択、冷暖房、ベンチレーションといった機械的操作では、ボタンなどのスイッチに触って操作する機能もバランスよく残されている。また、シャシー、ESP、エキゾースト、アクティブ・セーフティ・システムの設定、パーク・ディスタンス・コントロールなどのコントロールスイッチもあり、頻繁に使用する機能を、道路から目を離すことなく直感的に操作することが可能となっている。
ヴァンテージ ロードスターの納車は2025年第2四半期に開始される。クーペの兄弟車である「DB12」と「DB12 ヴォランテ」、そして新型「ヴァンキッシュ」、SUVのスーパーカーである「DBX707」、さらに近日発売予定の「ヴァルハラ」とともに、アストンマーティンのの112年の歴史の中で、最も高性能で、包括的で、魅力的な製品ラインアップを構成することになる。
AMWノミカタ
2024年2月に発表されたヴァンテージ クーペは旧モデルと比較して大幅に向上したパワーとトルクで話題をさらったが、今回のロードスターモデルもパフォーマンス的な違いはほとんどなく、加速性能がわずか0.1秒遅くなる点だけである。やはりこのシリーズの大きな魅力は、最大出力665ps、最大トルク800Nmのパワーを後輪のみで受け止め、ピュアスポーツカーとしてスリリングでダイナミックな体験をドライバーにもたらすことにあるのであろう。これを可能にするのは6軸センサーを使用した電子アーキテクチャーであり、ESP、アドバンスト・トラクションコントロールシステム、電子制御式リミテッドスリップデフ、ビルシュタイン製DTXアダプティブダンパーなどの最新の電子制御技術である。
ヴァンテージ ロードスターはスペック面ではDB12 ヴォランテとほぼ変わらない。ストイックなまでにスポーティなヴァンテージ ロードスターを選ぶか、エレガントでラグジュアリーなDB12 ヴォランテを選ぶか、アストンマーティンの魅力は尽きない。