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倉庫で不動車だったアバルト「131ラリー」を公道復帰! サーキットを走るために「ビールの生樽」でオイルタンクを作っちゃいました

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TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: 奥村純一(OKUMURA Junichi)

  • フィアット 131 アバルト ラリー:時には自身の手を汚し、仲間たちの協力でベストな状態になったという宮川さんの愛車
  • フィアット 131 アバルト ラリー:箱車のセールスアップにつなげようフィアットがリリースした131。ホモロゲーションモデルとして生産されたのが131 アバルト ラリーだ
  • フィアット 131 アバルト ラリー:ホイールは国産のハヤシストリートCR15のゴールドで違和感なくマッチしている。タイヤはアドバン ネオバAD08、ブレーキはウィルウッドでアップデート
  • フィアット 131 アバルト ラリー:ミラフィオーリのロゴが入ったリアスポイラー。2024年は、このミラフィオーリ誕生からの生誕50周年だった
  • フィアット 131 アバルト ラリー:ステンレス製のマフラーは46WORKSによるワンオフ製作だ
  • フィアット 131 アバルト ラリー:ワークスカー同様にクーゲルフィッシャーの機械式インジェクションが装着されたエンジン。エキゾーストマニホールドも46WORKSによるワンオフ製
  • フィアット 131 アバルト ラリー:ワークスカー同様にクーゲルフィッシャーの機械式インジェクションが装着されたエンジン。高圧がかかるため、不安があった古いホースはBMW 2002のものに交換した
  • フィアット 131 アバルト ラリー:オイル潤滑はワークスカーと同じくドライサンプへと変更されている。オイルパンにはアバルトの文字が!
  • フィアット 131 アバルト ラリー:OMP製ペダルを装着して操作性を向上させ、コーナリング時のためフットレストも装着している
  • フィアット 131 アバルト ラリー:クーゲルフィッシャー装着車にはあるというレバー。エンジン始動時に使用するそうだ
  • フィアット 131 アバルト ラリー:しっかり踏ん張れるように大きなフットレストが備わっている助手席の足元。コンペティションムードが高まる
  • フィアット 131 アバルト ラリー:運転席と助手席ともにスパルコ製のバケットシートを装着している。
  • 2024年はフィアット 131のデビュー50周年。アバルトカップの会場であるナリタモーターランドに並んだ6台のフィアット131 アバルト ラリー
  • フィアット 131 アバルト ラリー:なんとサーバー用の生ビール樽を2つを溶接して自作したというオイルタンクは12Lが収まる
  • フィアット 131 アバルト ラリー:正面に空燃費計が追加された以外は、ほぼノーマルの状態だというインパネまわり
  • フィアット 131 アバルト ラリー:ナリタモーターランドで開催された「アバルトカップ」でタイムアタック中の宮川さんのマシンは1976年製

フィアット 131の50周年を祝って6台のアバルトが集結

千葉県にあるナリタモーターランドで30年にわたり年4戦が開催されている「アバルトカップ」は、「走り好き」ならアバルトに限らず、車種や年式を問わず参加できるタイムアタック形式の走行会です。2024年はフィアット「131 ミラフィオーリ」のデビューから50周年ということで、2024年12月1日(日)には6台の「131 アバルト ラリー」が集結しました。

23年前に入手した時点では不動車だった

今から23年前に倉庫で眠っていたフィアット「131 アバルト ラリー」(以下131ラリー)を友人から譲ってもらったというのは、神奈川県から参加の宮川さんだ。

譲ってもらった当初の131ラリーは不動車で、とりあえずエンジンをかかるようにしたいと模索。本来はウェーバー34ADFというダウンドラフトのキャブレターが装着された1995ccのDOHC 16バルブエンジンであるが、宮川さんの131ラリーには、クーゲルフィッシャーの機械式インジェクションが装着されていて、グループ4のコンペティションマシンと同様の仕様になっていた。

何軒かのショップに相談するも、このスライドバルブ方式の機械式インジェクションに尻込みされ、ようやく引き受けてくれる工場を見つけ作業を依頼。しかし1年以上手つかずの状態で放置され、いつの間にかその工場も廃業してしまう。

「幸いエンジンは無事に戻ってきましたが、とりあえずエンジンは後回しで、自分でできることをやるしかないなと思い、納屋で足まわりをバラしたりアンダーコートを剥がすなどの作業をはじめました」

ビールの生樽で新たにオイルタンクを製作

その後、作業を引き受けてくれる工場が見つかり、無事エンジンがかかる状態になった。高圧がかかるインジェクション方式のため、燃料ホースが古いままでは不安があったので、BMW「2002」に使われていたホースを流用したそうだ。

また、入手時点でドライサンプ方式へと変更されていたが、オイルタンクの容量が小さくて頼りなかったので、なんとサーバー用のビールの生樽で新たにオイルタンクを製作したそうだ。

「友人が酒屋から買ってきた樽2個をカットして、バイクのマフラー屋さんにTIG溶接してもらったんですよ。中にはバッフルも入れて、オイルの片寄りや吸い込みの対策もしているんですよ。でも樽はバレちゃいましたね(笑)」

という宮川さん。2005年には、同じく131ラリーに乗る奥野さんと出会い、欠品だった希少なパーツを譲ってもらい、古くなった配線も自ら引き直すなど、仕上げに取りかかる。そして2006年12月にナンバーを取得するも、本調子とはほど遠く、走らせると止まってしまい、ということを繰り返し、車検を通すだけの数年間が過ぎた。

「エンジン不調もですが、足まわりも頼りなかったので、根本的にやりなおそうと思い、エンジンのオーバーホールと足まわりの見直しを自宅近くのショップに相談しました」

そのショップとは、ダートトライアルで有名な国政久郎氏の主宰する「オリジナルボックス」であった。ノーマル車両のバランスを損なわず最小限の処理で本来のポテンシャルを発揮するというポリシーをもつ国政氏が、全般的なメンテナンスも引き受けてくれて、宮川さんの131ラリーは調子を取り戻した。

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