多くのクルマにジャストフィットするホイールを手に入れることができる
ところでアルミホイールは、ホイール径とリム幅といったサイズだけでなく、オフセット(インセットとも)という重要なスペックがある。これはホイールのリム幅中心からディスク面までの距離で、プラス側にすれば、同じリム幅でもホイールはホイールハウスのより内側に納まり、ステアリングの操舵力は軽くなるが、ハンドリング特性はアンダーステア傾向になる。
その反対にオフセットをマイナス側に振るとホイールはより外側に張り出すことになり、結果的にトレッドが拡がって操舵力は重くなるけれど旋回性能が高くなってオーバーステア傾向のハンドリング特性になる。だから厳密に言うと、ホイールもセッティング要素のひとつということになる。
RSワタナベの各種の8本スポークは、リム径とリム幅が同じでも数種のインセットがラインナップされているが、さらにホイールによってはディスク部分を加工してインセットの移動が可能となっている製品もあるから、まさにより多くのクルマにジャストフィットするホイールを手に入れることができるわけだ。さらに、かつてハヤシレーシングから独立して誕生、3ピースホイールのパイオニアとなったワーク(WORK)とのコラボでRS8を3ピース化した「RS8R」も登場している。
フェアレディ240ZRのレース専用ホイールが復活
そんなRSワタナベだが、最近の新製品にも注目だ。まずはかつて日産のワークスチームで「フェアレディ240ZR」に使用していたレース専用ホイールが、「ゴッティマグ」として商品カタログにラインナップされたのだ。8本スポークのバリエーションというか派生デザインの4本スポークで15インチ径の6.5~11.5インチ幅でアルミだけでなく一部サイズではマグネシウム製も選択可能となっている。
また1970年代には「レーシング」(10インチは「ミニ」)と呼ばれていた4本スポークが「ヨンエス」として復活したのだ。東京オートサロンの現場で10インチの「ヨンエス」を見かけた時には1970年代に、FL500レースの取材で鈴鹿サーキットを訪れて、ハヤシ対ファルコンのバトルに興奮していた学生時代にタイムスリップしてしまった。思わず衝動買いしてしまいそうだったが、考えれば我が家には10インチを装着するクルマがない! 取材を終えてから初代「ライフ」がいいか、それとも「ミゼットII」も捨てがたいな、と悩む今日この頃だ。