小倉クラッチの注目最新アイテムを紹介
西日本最大級のモーターイベント「大阪オートメッセ2025(OAM)」が2025年2月7日(金)〜9日(日)にインテックス大阪で開催されました。今回はNAPAC合同ブースに展示されていた「小倉クラッチ」ブースから、注目の最新アイテムを紹介します。
トヨタ ハイラックス用のクラッチが登場
小倉クラッチのブースには、4つの新製品が並べられていた。ひとつはトヨタ「ハイラックス」用のメタルシングルクラッチ(ORC-409D-TT1919-SE-1)。ハイラックスのMT車は国内での販売はないが、東南アジアのタイではメジャーで、競技などにもMTのハイラックスが出場している。
そうしたMTのハイラックス向けに開発したこのクラッチには、ORC独自の「SE機構」を採用。半クラッチ領域を大幅に拡大し、強化クラッチながら扱いやすく、なおかつ衝撃トルクの低減により、駆動系に優しいことが売りになっているタイプだ。
強化クラッチなのに半クラが扱いやすいヤリス用ライトクラッチ
ふたつ目は、トヨタ「ヤリス」用ライトクラッチ(ORC-250L-TT2227)。これは「GRヤリス」用ではなく、1.5Lのヤリスが対象となる。2024年は参考出品扱いだったが、今回から製品版となり受注を開始した新製品だ。
こちらも半クラッチの扱いやすさや、踏力の軽さに定評があるシリーズで、街乗りから競技までノーマルクラッチのような操作でこなせる強化クラッチとなっている。ジムカーナなどナンバー付きの競技車両で、普段使いをしてもナーバスにならずに使えるのが魅力だ。また名前のとおり、メタルクラッチよりも素材が軽く、シフトフィーリングも向上する。
歯打ち音対策をした86/BRZ用クラッチが登場
もうひとつは、トヨタ「86」/スバル「BRZ」用の400ライト歯打ち音対策品(ORC-400LD TT1213-2)が登場した。86/BRZはクラッチを軽量化するとトランスミッションから「歯打ち音」と呼ばれる異音が出る傾向がある。その歯打ち音を低減するためにダンパーを追加し、異音を軽減させることに成功した。
軽量クラッチを入れた86/BRZでエアコンを入れると、いわゆる「ガラガラ音」が出る個体が多かった。こうした歯打ち音対策を施した軽量スポーツクラッチを待ち望んでいた人も多いはずだ。大阪オートメッセの段階では、参考出品扱いだったが、おそらく夏ごろまでには市販化されることだろう。
「タイムにつながるクラッチ」も販売開始
最後に紹介するのが日産「フェアレディZ」(RZ34)用のメタルツイン(ORC-559D-NS1319-SE)。2024年の段階では製品にカバーがかけられたままでお披露目はなかったが(参考出品)、2025年になり公開。クラッチが軽すぎるとシフトアップ時に回転がドロップしすぎる問題が出るため、実走テストを繰り返し、最適な重量を追求。「タイムにつながるクラッチ」として販売を開始。
クラッチは性能だけでなく、フィーリングの好みも分かれるパーツ。会場でもクラッチの特性や扱いやすさなどについて、ORCの説明員に質問している来場者が多く、クラッチへの関心の高さがうかがえた。